《上州食三昧》アジア料理(中)南アジア 地域色表すカレー 具材や辛さ 多種多様

上毛新聞
2019年5月21日

 南アジアの料理は特産の香辛料をふんだんに使うのが特徴だ。カレーは日本でもおなじみだが、具材や辛さは多種多様で、地域ならではの味わいがある。

 パキスタン料理が楽しめるマディナカレーレストラン(伊勢崎市柳原町)は同国出身のハッサン・マハブーブルさん(59)が2002年に開店した。

 「現地と同じワイルドな味」との言葉通り、本格的な味わいでファンを増やしてきた。チキンカレー、ひき肉のキーマカレー、野菜のオクラカレーなど、地元から取り寄せたスパイスをしっかりと使う。円形のナンが付いたプレート料理、ターリー(1100円)が人気だ。

 店の近くにはイスラム教のモスクがあり、金曜の正午から1時間は祈りの時間のため、店を休む。

 高崎で3店、伊勢崎で1店を展開するインド・ネパール料理のダンニャバード(本店・高崎市貝沢町)は、香辛料や油を控えめにし、子どもでも食べやすいカレーを提供する。

 インドの唐辛子、ショウガ、ニンニクなどを煮込んだ25種のカレーを用意。豚や羊の肉は軟らかくじっくりと煮込み、カレーライスには北海道産の米を使う。オススメセット(千円)は2種のカレーを選べて細長いナンやチキン、サラダなどが付く。ナンはいつでもお替わり自由。ハーフサイズも選べる。オーナーのディナナス・バンダーリさん(46)は「誰もがいつでもおいしくカレーを味わえるようにしたい」と話す。

 カフェポカラ(前橋市昭和町)では南インド地方の料理が食べられる。小林武さん(41)が実家の酒店を改装し、2016年に開店した。ポカラはヒマラヤ山脈と美しい湖を望むネパールの街の名前。小林さんはこの街で3年間、妻の寛子さん(41)と一緒に日本料理店を経営、観光客に肉じゃが定食やカレーうどんを出していた。

 地元に戻り、「好きなカレーを食べてもらいたい」との思いで店を始めた。ベジカレープレート(1200円)は南インドの酸味のある果物、タマリンドを使った豆のカレーが中心。ニンジンの炒め物、レモン風味のサラダなど3種の「おかずカレー」、薄焼きパンのチャパティ、スープが付く満足の一皿だ。カレーうどん(900円)も人気がある。