時代の節目に記念列車 平成最後4月30日発 令和最初5月1日行き DL大樹けん引 臨時夜行も運行

下野新聞
2019年4月24日

 平成最後の4月30日と、令和最初の5月1日を記念する列車が各地を駆け巡る。日付をまたいで臨時の夜行列車を走らせたり、車内でカウントダウンを行ったりするなど、鉄道各社が趣向を凝らした演出が盛りだくさん。早々に完売するケースも出ている。

 東武鉄道(東京)は、ディーゼル機関車「DL大樹(たいじゅ)」がけん引する「ありがとう平成・こんにちは令和号」を、南栗橋(埼玉)-鬼怒川温泉(日光)間で運行する。4月30日午後11時55分に出発し、5月1日午前5時に到着する。

 時代の変わり目をゆったりとした気分で過ごしてもらおうと、列車内で乾杯用の飲み物や軽食を提供するほか、ホテルで温泉を楽しみ、朝食も取ることができる。

 北海道の第三セクター道南いさりび鉄道でも30日深夜から5月1日朝にかけ、ツアー「昭和・平成から令和への旅」が開催される。JR函館駅発着で、昭和期に造られた列車に乗り、改元の瞬間は車内で乾杯。沿線に保存されている寝台特急「北斗星」の客車で休憩や仮眠を取る。

 秩父鉄道(埼玉)では、特別なヘッドマークを付けた蒸気機関車(SL)が、4月30日に「ありがとう平成号」、5月1日には「おめでとう令和号」として、熊谷-三峰口間を走り抜ける。“昭和生まれ”のC58形が、平成を経て、令和の時代も客車を引っ張る。

 平成元(1989)年に開業し、全国の鉄道事業者で唯一、社名に「平成」が付いている平成筑豊鉄道(福岡)は、節目の日をまたぐ列車内で、車掌が平成との別れ、令和の訪れを告げるカウントダウンを行う。担当者は「これまで乗客に愛され、無事に走り続けてこられた。平成の時代と乗客への感謝の気持ちを込めたい」と語っている。