道の駅さかい 隈氏設計レストラン、19日開店

茨城新聞
2019年4月2日

境町の道の駅さかいに19日、新国立競技場などのデザインを手掛けた世界的建築家、隈研吾(くまけんご)氏が設計した「さかい河岸レストラン 茶蔵(ちゃぐら)」がオープンする。町は、隈氏によるデザインという話題性を生かしながら外部からの集客を図り、町の活性化につなげたい考えだ。

レストランは鉄筋コンクリート2階、延べ床面積約480平方メートル。道の駅の既存店舗北側に建設し、新たな駐車場も設けた。総工費は約2億円で、うち75%に国の地方創生拠点整備交付金を充てた。

1階に地元産野菜を使ったビュッフェレストランが入り、2階はさしま茶やケーキを楽しめるカフェと、同町の塚原牧場が飼育する高級豚「梅山豚(めいしゃんとん)」の鉄板焼き店となる。道の駅の既存の飲食店は新レストラン開業後も当面営業するが、後に物販スペースとなる予定という。

隈氏はホテルや美術館など幅広い分野の設計に携わり、2020年東京五輪・パラリンピック大会のメイン会場となる新国立競技場を手掛けた。デザインの特徴として、木材などの自然素材をふんだんに使うことで知られている。

レストラン外観はさまざまな角度で取り付けられた木の板が目を引く。外壁を覆うように設置されたポットにはさしま茶の木を植え、境町らしさを表現するとともに太陽光をカット。店内にはさしま茶染めの布地を天井と壁に張り巡らせ、淡い緑で柔らかな雰囲気を演出する。

レストランは当初、昨春の開業を目指していたが、資材調達などの関係で約1年ずれ込んだ。待ちに待った開業に向け、橋本正裕町長は「町民も期待と関心を持ってくれている。しっかり成功させなければいけない」と力を込める。

さかいまちづくり公社は昨年12月、パン屋やシェアオフィスなどを備えた複合施設「河岸の駅さかい」を商店街の一角にオープン。さらに今後はギャラリーを中心市街地に新設する計画もあり、橋本町長は「道の駅を目指して町外から来た人が回遊してくれれば」と話している。

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