銀世界に映える朱  大田原 雲巌寺、降雪から一夜

下野新聞
2019年2月12日

 【大田原】降雪から一夜明けた10日、名刹(めいさつ)雲巌寺の山門前に架かる朱塗りの反り橋「瓜瓞橋(かてつきょう)」が雪化粧し、風情を醸しだした。

 前日から5センチほどの雪が積もり、禅の修行のための道場である同寺の一帯は森閑とした世界。武茂川の流れと鳥の声、雪が滑り落ちる音が静寂の中で響いた。

 瓜瓞橋は「瓜(うり)も瓞(小瓜)も先端に行くほど大きな実が成る」といういわれがあるとされる。昨年は、女優吉永小百合(よしながさゆり)さんがこの橋の上でテレビCMを撮影したことで脚光を浴び、今も多くの人が訪れている。

 この日は、日の当たる山門は朝のうちにほぼ雪が解けたが、古木に囲まれた瓜瓞橋には雪が残り、訪れる人が記念撮影していた。那須塩原市南郷屋、主婦小野久子(おのひさこ)さん(64)は「素朴さと静けさが好き。橋の赤が雪の白に映えますね」と特別な景色を楽しんでいた。