おさい銭も電子決済 日光二荒山神社 全国初、中国人向け運用

下野新聞
2018年10月16日

 おさい銭もキャッシュレス化へ-。日光市山内の世界遺産日光二荒山神社が、増加する中華系参拝者の受け入れ対策として、スマートフォンでさい銭を“支払える”システムを導入したことが15日、分かった。参拝所に設置したQRコード付きの看板で電子決済ができる。同神社によると、恒常的なさい銭の電子決済導入は全国初。神社本庁も「類似事例は聞いたことがない」としている。

 同神社などによると、東京都内の神社で年始など特定日だけ、国内の電子マネーでさい銭が奉納できるケースがあるが、恒常的なシステム導入は他に例がないという。

 中国や台湾から日光を訪れる参拝者は年々増加。特に中国ではキャッシュレス化が著しく、寺院でのさい銭の電子決済も珍しくないことに同神社が注目した。「かつての一人っ子政策の影響で目立つ中国の独身者に、当社の縁結びの御利益を知ってほしい」という思いも込めた。

 QRコード付きの看板は本社拝殿や神橋など境内9カ所へ設置。中国語、英語、韓国語で説明文を記し、中国の電子決済サービス「アリペイ」「ウィーチャットペイ」でさい銭が支払える。金額は100、1千、1万円の3種類のほか、自由な設定もできる。現在は試験運用中で、月内に同神社のパワースポットの案内ページなどを設けて本格的に運用していく。

 同神社の斎藤芳史(さいとうよしふみ)総務部長は「おさい銭の一部は日光の活性化のための資金としたい」と話している。