新年の空、勇壮な放物線 日光二荒山神社中宮祠「武射祭」

下野新聞
2018年1月5日

 弓道で1年間の無事を祈る神事「武射祭(むしゃさい)」が4日、日光市中宮祠の日光二荒山神社中宮祠で開かれた。神職ら約20人が勇ましく白羽の矢を放ち、奥日光の雪空に大きな放物線を描いた。

 室町時代から続く新春の伝統神事。領地を巡り、男体山と赤城山(群馬県)の神がそれぞれ大蛇と大ムカデに変身して戦場ケ原で争った際、弓の名手の加勢を得た大蛇が勝利したという伝説にちなんでいる。

 境内は昨年末から断続的に降った雪で白銀の世界に。吉田健彦(よしだたけひこ)宮司が上神橋(かみしんきょう)に立ち、「ヤー」という掛け声とともに赤城山がある中禅寺湖方面へ2本の矢を放つと、他の神職や県内の弓道家も続いた。

 放たれた矢は「幸運の矢」とされ、見物客は雪をかき分けて拾っていった。茨城県桜川市、小学6年渡辺優美(わたなべゆみ)さん(12)は「矢を拾えてうれしい。祖母の足のけがが治るように祈ります」と話していた。

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