フナ、琥珀に染まる 古河

茨城新聞
2017年12月19日

古河市の郷土料理で正月料理に欠かせないフナの甘露煮作りが、市内で最盛期を迎えている。1902年創業の「野村甘露煮店」(同市本町)では、早朝から深夜まで仕込み作業に追われ、調理場が甘い香りに包まれている。

同店では、直径60センチの鍋が最大九つ並ぶ。素焼きしたフナが鍋一つに約16キロ入り、じっくり煮込む。水と砂糖だけで約8時間、しょうゆなどを加えてさらに約2時間煮詰めると、フナは鮮やかな琥珀(こはく)色に染まる。

同店はさっぱりした甘さが売りで鮮度にもこだわる。「形が崩れないよう、火加減が大切」と4代目の野村則之社長(45)。「正月料理だけでなく、贈答用としても全国から注文がある。地元の食文化として(甘露煮を)長く残していきたい」と話した。 

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