古河の伝統料理 フナの甘露煮 仕込み最盛期
茨城新聞
2019年12月24日
古河市の正月の食卓を飾る郷土料理、フナの甘露煮作りが、市内の各店で最盛期を迎えている。
1902年創業の「野村甘露煮店」(同市本町4丁目、野村則之社長)は、独自の調味料が引き出すさっぱりとした甘さが特徴。生産量は12月だけで約1.5トンと、年間生産量の6割を超える。
直径約60センチの鍋に素焼きしたフナ約16キロを入れ、水と砂糖だけで約8時間煮込む。調味料に続き、水あめを加えて、さらに約2時間。ふたを取ると、甘い香りが広がり、あめ色に染まったフナが姿を現す。
先代の野村利夫さん(72)は「頭から尾まで、形が崩れないように軟らかく煮るのがポイント。古河の伝統料理を残すため、多くの人に食べてもらいたい」と話した。
熱気と香りに包まれた調理場での仕込みは、大みそかの31日まで続く。
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