《茨城いちばん》レンコン 「風土記」に登場

茨城新聞
2018年1月21日

穴の開いた形状から、先の見通しが利く縁起物とされるレンコン。本県は出荷量、栽培面積ともに全国1位を誇る一大産地だ。霞ケ浦周辺などに一面に広がるハス田では、昨年秋ごろから、収穫作業が本格化。冷たい泥水に漬かりながら、ポンプの水圧を利用してレンコンを掘り出す作業が連日行われている。

主な県内産地は土浦市、かすみがうら市、小美玉市、稲敷市、行方市など。近年は大型ハウスの普及や品種改良により年間を通して栽培する体制が整っている。

県産地振興課によると、2016年の本県の栽培面積は1610ヘクタール。出荷量は2万4100トンで、2位の徳島県に約1万8千トンの大差をつけた。全国シェアの半数近くを占め、県産レンコンは西日本まで広く流通している。

歴史的にも本県とのつながりが深く、713年に編さんされた「常陸国風土記」にはレンコンを食用にしたことをうかがわせる記録も残る。

消費拡大に向け、県内産地では、レンコンを練り込んだうどんや漬物、カレー、菓子などの商品が開発されている。昨年11月には、県内9市町村の飲食店でオリジナルメニューが楽しめる「日本一のれんこん料理フェア」が開催された。

ブランド力向上に向けた動きも進む。県や生産者、JAなどでつくるプロジェクトチームは、13年度から優良品種を選抜し、試験栽培に取り組む。色や形、収量、収穫作業性などを基に4品種を選抜し、19年度にも希望する生産者に種バスを供給していく。 

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