県大洗水族館 国内最大の水槽整備 ジンベエザメ館に130億円 22年度にも

茨城新聞
2019年12月24日

大井川和彦知事は23日、アクアワールド県大洗水族館(大洗町)で世界最大の魚類ジンベエザメを飼育、展示する計画を正式発表した。国内最大となる水量8千トン規模の室内水槽を備えた「ジンベエザメ館」(仮称)を新たに整備し、2022年度末にも展示を始める。全体事業費は130億円を見込む。

20年度に新施設の設計に着手。ジンベエザメを確保した上で、水槽飼育に向けた準備に当たる「蓄養」も進める。建設地は、現在の水族館に隣接する駐車場用地を予定し、関連予算を20年度当初予算案に計上する方針。

同日の定例会見で大井川知事は「(周遊型の)観光需要をつくり出す観点で、非常に強い観光資源を持つひたち海浜公園と相まってもう一つの大きな柱ができる」と述べた。

国内でジンベエザメを展示するのは美(ちゅ)ら海(うみ)水族館(沖縄県)など4施設。完成すれば東日本で唯一のジンベエザメの展示施設となる。同館が11月に実施したアンケート調査によると、回答した564人のうち約6割がジンベエザメを「展示してほしい」と答えたという。

大井川知事が地方視察で沖縄や大阪のジンベエザメを展示する水族館を視察したのをきっかけに、県は約1年半前から検討を進めてきた。同館には年間100万人以上の来館者がいるが、大井川知事は完成後は「倍ぐらいになるのを目指す」と語った。

県は今年3月に策定した「ひたちなか大洗リゾート構想」の中で同館を中核施設に位置付けている。サメの飼育種類数が63種約400匹で全国一である同館の強みをさらに伸ばし、インバウンド(訪日客)を含めたさらなる観光誘客や地域経済の活性化につなげていく。

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