《キャンプを楽しもう》キャンピースかすみがうら(茨城・かすみがうら市)
■廃校活用、懐かしの空間 まき類使い放題も人気
行方市方面から県道118号線を南下すると、右手に色鮮やかな壁画が目に飛び込んだ。ナマズや釣り人、テント、たき火-。間もなく、キャンプ場を案内する看板が現れた。
2022年7月、イベント企画業などの運動会屋(東京)が、旧かすみがうら市立佐賀小の跡地を使いキャンプ場をオープンした。テントサイトは校庭、管理棟は校舎、責任者の肩書は校長。ヤギやウサギ、ニワトリなども飼育されている。
受付は4年1組の教室。昇降口で靴を脱ぐと、廊下には児童がネコやコンクリートについて調べてまとめたレポートが掲示されていた。教室内は跳び箱や人体模型が置かれ、黒板にはチョークでポイントカードの説明が書かれていた。チェックインに訪れた宿泊客も思わず「わあ、学校だ」とつぶやいた。子ども時代に戻ったような、懐かしさを感じられる。
テントサイトは平たんで、初心者でもテントの設営が容易。かつて校庭だったこともあり、小さい子どもにとっても危険が少ない。サイトを囲うように桜が植えられている以外は木々もなく、広々としている。種類は地面が芝生の「芝生サイト」、土の「グラウンドサイト」があり、いずれも定員4人で、80平方メートル。
ペット同伴サイトは100平方メートルとさらに広い。イヌやネコだけでなく、フクロウ、ウサギの宿泊実績があるという。場内には小型犬用、中・大型犬用と2種類のドッグランがあり、宿泊客は追加料金なしで利用できる。
無料サービスが充実しているのもうれしい。特にまき類の使い放題は人気。針葉樹に広葉樹、たき付け用木材、おがくず-と種類も豊富だ。管理棟内のシャワーも無料で、パウダールームのドライヤーやヘアアイロンも自由に使える。パウダールームには児童用の机やいす、ランドセル、鍵盤ハーモニカなどの備品がそろい、貸し出し無料の制服などを着用して写真を撮る客もいる。
古峰篤校長(43)は給食の提供や、同小で卒業できなかった児童を集めた卒業式の実施などの青写真を描く。「廃校は過疎化が進んだ結果だが、思い出がある人はたくさんいる。使ってもらえたらうれしい」と来場を呼びかけた。(第3土曜日掲載)
■インフォメーション
住所…かすみがうら市坂2039の1(旧佐賀小)/宿泊料…ペット同伴サイト8000円~、芝生サイト7000円~、グラウンドサイト6000円~、ソロサイト(グラウンドサイト)3000円~、手ぶらキャンプ2万2000円~(グラウンドサイト代込み、他サイト追加料金)/毎週月-水定休(祝日除く)。営業時間午前9時~午後5時。予約は公式ホームページから。(電)070(2432)3096。
■32店集う「でじまるしぇ」
キャンピースかすみがうらは31日、キッチンカーなど32店が集うイベント「でじまるしぇ」を開催する。午前11時~午後5時、入場無料。宿泊不可。
飲食は香港の「バブルワッフル」や、韓国の「クロッフル」など海外発祥のスイーツのほか、唐揚げ、焼きそば、カレーなど定番メニューがそろう。
ほかに雑貨や多肉植物販売、占い、エステ、ペットイラスト、AI姿勢診断など多種多様な店舗が集まる。宙に張ったベルト状のラインを渡る新感覚スポーツ「スラックライン」体験会や、電動の4輪スクーター「WHILL(ウィル)」試乗会も行われる。
同キャンプ場は射的や型抜きが楽しめる「縁日」を用意する予定。