ゲル宿泊、遊牧民体験 茨城・石岡 モンゴル衣装や食堪能

茨城新聞
2023年6月21日

茨城県石岡市小幡の筑波山麓に、モンゴル遊牧民の円形住居「ゲル」を使ったグランピング施設「筑波山ゲルグランピング」がオープンした。最大の売りは「モンゴルの生活体験」。ゲルに泊まって異国の文化や食を味わい、日常の疲れを癒やせる。立ち上げたモンゴル出身者は「茨城とモンゴルの架け橋のような場所にしたい」と話す。

筑波山の中腹、山の斜面の約3200平方メートルの敷地に、宿泊用ゲルが6基並ぶ。ゲルは、遊牧民が広大な草地を移動しながら生活するため、組み立てや撤去ができるテント式の伝統的住居。1基は日本の和室16畳に相当する広さで、大人4人が快適に過ごせる。4人ベッドタイプ(2基)、2人ベッドタイプ(2基)、布団タイプ(2基、定員4人)があり、中はいずれもホテルの一室のような上質感がある。

筑波山の中腹にオープンしたグランピング施設「筑波山ゲルグランピング」のゲルの室内

立ち上げたのは、同県つくば市在住のモンゴル出身女性、アマルズル・チメッツェレン(通称アムラ)さん(43)。「茨城とモンゴルをつなぐ場所をつくりたい」との思いで約7年前に着想し、2020年から足かけ約3年でオープンにこぎ着けた。資金の一部はインターネットを使って資金調達する「クラウドファンディング(CF)」で募った。

共同の浴場もあり、料理(要予約)はモンゴル人シェフが調理するホルホグ(羊の石焼き)などの母国メニューを提供する。料金はゲル1基4人利用で、1泊2日2食付きで平日5万円、土日祝日6万円。

宿泊用ゲルとは別に設置された受付用ゲルの中では、モンゴルの伝統衣装を着ることができ、モンゴルの文化を紹介するコーナーも設けられている。アムラさんは「モンゴルという国を深く知ってもらい、『行ってみたい』と思ってもらえたら」と願う。場所は石岡市小幡2124の18。既設の市つくばねオートキャンプ場に近く、キャンプ場の集積地となっている。

グランピングとは「グラマラス(魅力的な)」とキャンピングを組み合わせた造語。キャンプよりも宿泊施設や食事が充実しているのが特徴で、より快適に大自然を楽しめる。近年、キャンプ人気とともに需要が増えている。