車中泊施設、７月オープン　茨城・高萩　ペットとの宿泊区画も

キャンピングカーなどの製造販売店「カリスマジャパン」を運営するエターナルコーポレーション(茨城県日立市、永岡誠司社長)は、同県高萩市横川の市のアウトドア体験エリア内に車中泊を楽しめる施設「オートリゾート」を7月15日にオープンする。衛生設備や管理棟を完備し、快適で安心できる拠点を提供。車中泊需要の取り込みを狙う。同社は「車で市内を回遊してもらい、交流人口を増やし、地域活性化にもつなげたい」としている。

新施設は、市が2019年に開設した「はぎビレッジ」内に設けた。面積は約8千平方メートル。六つの区画に分かれ、車中泊のほか、柵を設置しペットと安心して泊まれる区画や、バーベキューやイベントが行えるステージなどを用意した。女性客や初心者も使いやすいよう、内外装にこだわったトイレやシャワーを整備。一般のキャンプでも利用できる。

希望者にはバーベキュー用に、常陸牛やローズポーク、市内の野菜といった県産食材を販売する。施設外の飲食店での食事も選択でき、地域経済の活性化にもつなげる。

車中泊は1泊2千円から。5～6月に試験的にお試し泊も実施した。既に予約を受け付けている。

同社はキャンプ仕様の車のカスタマイズと販売を手がける。電気自動車の台頭や環境重視で車販売の経営状況が厳しさを増す中、新規事業として、車旅が楽しめる車中泊の拠点づくりをコロナ禍前から模索。道の駅や公園を含め正式に車中泊を受け入れている施設は県内に少なく、利用者から需要があると注目していた。

高萩市は市域の約8割を占める森林や原野を有効に活用しようと、はぎビレッジの敷地を整備し参入事業者を公募。カヌーやアウトドア体験を含め現在4業者が参入している。同社は21年に採択された。

永岡社長は「同様の拠点を県内各地に整備し、地域を回れるようにし、県の魅力を発信していければ」と将来像を語った。