バス運行路 AIが判断 9日スタート 予約制、バス停増設 茨城・五霞

茨城新聞
2024年1月8日

茨城県五霞町は町コミュニティバス「ごかりん号」に利用者の予約に応じて運行するデマンド交通を導入、9日にスタートさせる。人工知能(AI)を活用して予約状況を把握し、最適ルートを運転士に伝達。バス停も従来の倍以上に増やし、公共交通の空白地域の解消を目指す。

ごかりん号は2016年10月に運行開始した。埼玉県越谷市の朝日自動車に業務委託し、東武日光線の南栗橋駅(埼玉県久喜市)と町役場などを結ぶ朝晩ルート(1日17便)と、同駅やスーパーなどを循環する日中ルート(同8便)がある。町によると、1日の平均利用者数は約50人という。

五霞町内を運行するコミュニティバス「ごかりん号」

 

デマンド交通を導入するのは利用者が少ない日中ルート(おおむね午前8時~午後4時)。前日までに予約するとAIが分析し、時間帯や方面に応じて最適な迂回(うかい)ルートが選択され、運転席のナビゲーションに表示される。バス停もこれまでの27カ所から83カ所に拡大し、従来のルートになかった利根川や中川沿いの道路にも設置された。

システムは、ヴィア・モビリティ・ジャパン(東京都)が開発し、県内では高萩市に続いて2カ所目の導入となる。2023年度の事業費は約600万円。

日中ルートの大人運賃は従来の200円から400円に値上げする。65歳以上は「いばらきシニアカード」を提示すると半額。小中高生・障害者も半額。

利用するには、専用アプリか電話で前日までに予約する必要がある。フリーダイヤル(0120)082378は午前8時~午後7時。アプリは「ごかりん号」で検索してダウンロードする。

5日に試乗会があり、知久清志町長は「デマンド交通の導入で、町が持続可能で快適な環境に向かう一歩につなげたい」と話した。利根川沿いに住む篠崎悦子さん(79)は「バス停設置は地域の念願。病院や買い物に行けるようになりうれしい」と語った。