《食いこ》手作りサンドイッチの店 つじや(茨城・土浦市) 愛情こめ、豊富な品ぞろえ

茨城新聞
2023年11月5日

ショーケースにボリューム満点のサンドイッチがずらり。卵やツナ、ポテト、ハム、ハンバーグ。手作りサンドイッチの店「つじや」(茨城県土浦市)は、定番のおかずに加え、フルーツやチョコレートなどスイーツ感覚で食べられる商品も並び、目移りする品ぞろえだ。早朝から続々と買い物客が訪れる。

創業は1968年。代表の辻彦人さん(50)の祖母、みねさんが戦後間もない頃に営んでいた小さな商店が形を変え、現在へと引き継がれている。子どもからお年寄りまで、誰もが気軽に手に取れておなかも満たす。食パンからあふれるような具材に、店の愛情がこもる。

春雨が入ったつじやみねサンド(左)

 

季節限定を合わせ、メニューは約50種類。新作が続々と加わる中で長年愛され続けるのが、春雨を挟んだ元祖「つじやみねサンド」だ。みねさんの名前を冠し、春雨に程よく酸味の効いたマヨネーズをあえ、さっぱりとサラダ感覚で食べられる。

開発を担当するのは妻の珠美さん(47)。見た目、おいしさ、食べ応え。旬を考慮し、鮮度を優先しながら素材を吟味し、親しみやすい「つじやの味」を追求してきた。「何度でも食べたくなるような家庭的な味付けを心がけている」と話し、ソースを含め、可能な限り手作りだ。

建物や店先は人が集いやすいよう工夫されている

 

今年7月末、店を移転オープンした。近隣の人たちや利用客の使い勝手を考え、敷地はゆったり構える。天気がよい日は屋外で食べ、ひと休みする空間を設けた。

店内には、食事スペースの隣に小さなギャラリーを併設する。地元の若い作家らの絵画や小物を展示し、「アートを通じ交流できる場を提供しよう」と、彦人さんのアイデアで取り入れた。お茶や食事を楽しみながら美術作品に触れ、「若い作家さんを応援し、人の心を豊かにできたらいい」と夢は膨らむ。

サンドイッチ以外にも、果物や野菜を使ったスムージーも人気。焼きそばやコロッケを挟んだ調理パンも充実しており、若者だけでなく、みねさんを知る人たちや、学生の頃からの常連客など幅広い層を視野に入れる。

「新しいものを取り入れつつ、変えてはいけないものは守る」を信条に、彦人さんたちは「地域の人と共に歩む店」を目指す。

■お出かけ情報
つじや
▽茨城県土浦市真鍋6の7の2
▽営業時間は午前7時~午後5時
▽無休(年末年始を除く)
▽お取り置き専用ダイヤル080(9219)1578