《釣り》メタルジグで青物狙う 茨城・日立沖 ワラサ・ヒラマサ 底からシャクりヒット

茨城新聞
2023年10月14日

猛暑の夏がようやく終わろうとしているのか、秋の足音が聞こえてきた。しかし海の中はなかなか水温が下がらず、まだ夏の魚が好調に釣れているようだ。今回、茨城県日立久慈漁港の釣友丸(若林一船長)に乗ってルアーフィッシングで青物を狙った。

9月中旬の午前4時半、私を含め3人の釣り師を乗せた船は暗闇の太平洋を進む。振り返ると日立市の街の明かりがきらきらと星空のように見える。やがて東の水平線がオレンジ色に染まる頃、水深60メートルのポイントに到着した。釣り師たちは風任せに流れる船の右舷に並んで釣り開始。

小ぶりながら引きはワラサを上回ったヒラマサ=日立沖

 

私は2人に挟まれる格好で船の真ん中でさおを持った。左右ではスピニングリールでメタルジグを高速で巻き取っている。私は両軸リールで底の層をスローピッチジャークで探った。

魚群モニターに反応はあるが、かかってくるのはサバばかり。ここで船は水深50メートルのポイントへ移動。モニターが底付近の岩場の魚群を映し出す。

チャンスだ、と私もスピニングリールのさおに持ち替え、激しく底から10メートルまでをシャクる。底から4回シャクったところで「ガッ!」と強烈なアタリ!

PEラインは4号、リーダーはナイロン16号。強気でゴリゴリ巻き取るが激しく抵抗。糸をほぼ巻き取ったところで海面に浮いたのは約4キロのワラサ。写真撮影もそこそこにメタルジグを海中へ放り込む。

船長はこの岩場地帯を筋を変えて何往復かしてくれたのだが、2匹目はかかってこなかった。しばらくして船長が思い切って水深25メートルの浅場へかじを切った。底がギザギザの岩礁地帯だ。

ここはヒラマサのポイント。ヒラマサは逃げ回る小魚の動きに興奮して追いかける習性がある。ジグを激しくシャクって横にスライドさせると効果的だが、150グラムのメタルジグを強くシャクり続ける体力が要求される。

辛抱強く底からシャクって15回目、再び底まで沈めようとするとメタルジグが沈まない。ヒットだ! 慌てて糸を巻き取りアワセを入れるとワラサより強い力で底まで潜る。やがて水面に現れたのはずっと小さなヒラマサだった。この後もう1匹ヒラマサがヒットするも、隣のラインが絡み付いて逃げられる。やがて正午の定刻で終了となった。

帰宅して早速調理してみる。ヒラマサ、ワラサともに刺し身とブリ大根で食べる。夏のワラサの味はあまり期待できないのだが、今日のは脂が乗ってうまかった。力ではヒラマサが勝ったが、味ではワラサに軍配が上がった。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)