《食いこ》水戸木村屋(茨城・水戸市) パン屋のふんわりかき氷

茨城新聞
2023年8月15日

茨城県水戸市の水戸木村屋は赤いシェードとレトロな外観が通りで目を引く老舗のパン店。大正末期に東京・銀座の木村屋からのれん分けして以降、3代にわたり「水戸のおいしいパン屋さん」として親しまれてきた。

外観はレトロな雰囲気

 

現在、店を切り盛りするのは、パン職人でソムリエの資格を持つ中山俊宏さん(48)と、妻でパティシエの小百合さん(43)。新しいことに挑戦してみようと2016年、夏季限定のかき氷を始めた。「パン屋が出すかき氷」として人気を集め、恒例の商品になっている。

店のかき氷は、純氷を滑らかな口溶けになるように削り、ソースやシロップをたっぷり添える。小百合さんが冷たいかき氷に合う素材を見極め、ソースやシロップを手作りしており、和から洋まで、バラエティーに富んだ味が楽しめる。

かき氷機で削った氷はふわっとやわらか

 

定番の「いちご」にかけるシロップは、夫婦で収穫してきた生のイチゴを使うこだわりぶり。小百合さんは「洋菓子づくりの知識を生かして、味や甘さ、組み合わせを計算している」と話す。

お薦めは、自家製キャラメルソースにアーモンド、マスカルポーネを組み合わせた「塩キャラメル&マスカルポーネ」。甘さを抑えたほろ苦いソースは大人の味で、ふわっと溶ける氷によく合う。ブルーベリーとイチゴのソースに自家製カスタードを組み合わせた「ベリーベリー&カスタード」はボリュームがあって見た目も華やかだ。

本業のパンは、先代を手伝いながら俊宏さんが長年担当。店を継いだ今も、早朝4時過ぎから仕込みを始め、約25種類のパンをショーケースに並べている。食パンやバケット、総菜パンに菓子パン。一般の商品に比べ卵の分量が多いのが特徴で、「しっとり、ふんわりとした食感に仕上げる」と俊宏さん。

家族の歴史と100年続く味を守りつつ、店の3代目夫婦は、若い世代に足を運んでもらう仕掛けや、新しい味を提案していきたいという。

■お出かけ情報
水戸木村屋
▽水戸市南町3の5の3
▽8月は変則営業(14日を除く月曜と22~24日は休み)
▽営業時間は平日午前8時~午後6時、土曜とかき氷の日は午前11時~午後5時▽(電)029(221)4470