《食いこ》ええもん8(水戸市) ふわとろ 本場のたこ焼き

茨城新聞
2023年6月2日

本場のたこ焼きを茨城に広めたい-。大阪出身の田所麻希志(まきこ)さん(38)、井上拓也さん(45)の2人が切り盛りするたこ焼き店「ええもん8」(水戸市)。たこ焼き、いか焼き、たこせんなどのメニューが並び、大阪弁が飛び交う店内はまるで大阪旅行に来たようだ。

「お時間10分ほどいただきます」。たこ焼きを注文すると、店主の田所さんが熱した銅板に生地を流し込む。水のようにさらさらとした液体だった生地は、熱が加わり、徐々にぷるぷるとした見た目に変わる。熟練の業でまん丸に仕上げると、出来たてをパックに入れ、手渡してくれた。

食べてみると、外はふわふわ、中がとろとろの食感。その軟らかさは、箸か2本のようじを使わなければ持ち上げられないほど。時間がたつと少し潰れて見えるのは、空気を多く含んでいる証しだ。火の調子や湿気で膨らみ方が変わるため、日によって生地の配合を調整しているという。

イカの切り身と卵を包んだいか焼き

生地は自家製のかつお昆布だしが利き、タコから出た塩分も相まってしっかり味が付いている。トッピングはマヨネーズ、かつお節、青のりとスタンダード。生地の食感を邪魔しないよう、青のりとかつお節はミキサーで砕いて粉状にしている。

たこ焼きは定番の「ソース」、ピンク岩塩をかけた「しお」、自家製だし入りしょうゆをかけた「しょうゆ」、調味料・トッピングなしの「素焼き」の4種類。今月から、期間限定の「おろしポン酢」、ピリ辛みそだれの「たこジャン」が登場した。田所さんのいち推しは、自慢の生地を味わえる素焼きだ。

2017年8月オープン。茨城は、田所さんが幼少期から旅行などで訪れており、なじみの土地だった。関東は生地を揚げ焼きしたカリッとした食感のたこ焼きが主流で戸惑いもあった。客から「揚がってない」「生焼けではないか」などと指摘されたこともあるが、「おいしい自信があったから、ふわとろを貫いた」。ただ、「よく焼き」「マヨネーズ抜き」などの要望には快く応える。

田所さんによると、大阪人はそれぞれお気に入りのたこ焼き屋があるという。「ええもん8(や)をマイたこ焼き屋にしてほしい」と笑顔で話した。

■お出かけ情報
ええもん8(や)
▽水戸市千波町2467
▽営業時間は午前10時30分~午後8時ラストオーダー
▽定休日は毎週水曜
▽駐車場は店舗正面と横の計4台
▽イートインスペースあり(16席)
▽(電)029(243)6558