《食いこ》食べ方熟知、感謝の一皿 発酵カフェ コメハナ(水戸市)

茨城新聞
2023年5月24日

しょうゆやみそ、塩こうじ、日本酒、ヨーグルト。発酵食品を使った料理をメインに、ランチやデザートを提供する「発酵カフェ コメハナ」(水戸市)。代表の内山文さん(52)は「調味料としてだけでなく、発酵食品の用途は幅広い。意識せず食べていることも多く、日本食に根付いている」と魅力を挙げる。

内山さんは埼玉県出身。発酵食品の開発に携わった経験があり、国家資格の「1級みそ製造技能士」を持つ。活用方法を模索する中で、「自分が本当にやりたいことは何か」と考え、一念発起。2018年2月、水戸市内の現在地にカフェを開いた。

店の看板商品「発酵プレートランチ」(1200円)は日替わりで食材が変わる。一皿に調理法の違う発酵食品がぎっしりと詰まっているのが特徴だ。メインの肉か魚料理に2種の小鉢、スープ、サラダ、ヨーグルトなど。この日は豚ヒレ肉をタマネギこうじに漬け込んで焼き、ふっくら、やわらかく仕上げた。

豆乳みそプリンやチーズケーキ、ガトーショコラ、甘酒を使ったスムージーなど、デザートも豊富にそろう。豆乳みそを使ったプリンは甘さが控えめで滑らかな舌触り。スムージーにはイチゴ、マンゴー、キャラメル、チョコの4種類に加え季節限定の味が楽しめる。

日替わりで提供する発酵プレートランチ

中央のチョークアートが目を引く店内はカウンター6席、テーブル14席。平日は内山さんとスタッフの2人で、厨房(ちゅうぼう)から接客まで切り盛りしている。入店時に会計を済ませるシステムを取り入れ、少人数で効率よく店を回せるよう、店舗内の動線にもこだわった。「できる範囲で無理をしない、頑張り過ぎないことが継続の秘策」と話す。

気付けば開店から丸5年が過ぎた。店が軌道に乗ってきた直後、新型コロナウイルスの感染が広がった。協力してくれた近隣住民や企業にお礼をしたいと始めたテイクアウトは現在も続いている。「お客さんやスタッフ、近所の人たちに恵まれ、今がある」

毎日の食事を楽しみ、健康な体をつくる。色とりどりのプレートランチは見た目も鮮やか。発酵食品の食べ方を熟知する内山さんならではの感謝の一皿だ。

■お出かけ情報
Hakko Cafe Kome-Hana
▽水戸市元吉田町1012の34
▽営業時間は午前11時~午後6時
▽定休は毎週水、木曜日(※同日限定の間借りカフェ 1/cafeが営業)
▽(電)029(388)0388