騒音やブロック破損…新スケボー広場で「マナー講座」 群馬・前橋公園
スケートボードが楽しめる環境をつくろうと、群馬県前橋市は楽歩堂前橋公園(大手町)に滑走可能な広場を開設した。これまでは園内で禁止されていたが、愛好家らの要望を受け、一般来場者に迷惑がかからないような条件で整備。今後は前橋スケートボード協会と共により良い施設の活用方法を模索しながら連携し、競技マナーの発信などに努める。
整備場所は利根川沿いの親水・水上ステージゾーンの南側で、面積は約300平方メートル。騒音トラブルを防ぐため、住宅地から約200メートル離れた立地を選んだ。平面の舗装に加え、アスファルトや縁石を用いて勾配、段差を設けた。市公園緑地課によると、併用開始後、週末に最大で30人ほどが集まっている。整備事業費は約400万円。
同協会は21日、施設のPRやマナー啓発を兼ね、縁石などに滑りをよくするワックスを塗るイベント「WAX ON」を初めて企画した。当日はキッチンカーも出店する予定で、参加者同士の交流促進や競技の啓発を狙う。同協会の奥野恭平会長(42)は「気兼ねなく集まれる場所ができた。これを機にさまざまな楽しみ方ができる魅力や、設備を大切に利用する意識を普及していきたい」と話す。
市は本年度、約500万円を充てて施設を400平方メートルほど拡張する予定。降雨による河川氾濫のリスクを考慮し、渇水期の2024年1~3月に工事を行っていく方針という。
同課によると、以前から園内の東側を中心に滑走する人がいたが、縁石ブロックなどが損壊したり騒音の苦情が寄せられたりしたため、数年前から公園の職員が中止を促したという。市内では公園などで原則禁止している。
愛好家から「どこでやればいいのか」といった声が上がり、同公園の一般来場者らが安全で安心して利用できることを前提に、施設の整備を決めた。並行して昨年7月から前橋総合運動公園の一部で利用時間を限定して利用を許可している。
同課は「競技者が楽しめるとともに、スケートボード利用のマナー普及につながる施設として活用していきたい」としている。
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