茨城・牛久の特産品、魅力発信 市民団体、地元企業と連携
茨城県牛久市の住民でつくる「牛久イケてる特産品プロジェクト」が地場産品の魅力発信に取り組んでいる。地元商品の新シリーズやイベントを企画し、新たな特産品を生み出そうと試行錯誤を続けている。
プロジェクトを立ち上げたのは同市出身のアートディレクター、吉原芙美子さん(43)。「牛久で育った人たちに、子どもの頃から身近にあった店や食べ物を再発見してほしい」というのがきっかけだ。
仕事柄デザインに関わっていることから、知名度のある商品でも「魅力が伝わりにくい。もったいない」と感じていた。「見せ方を変えるだけでも印象は違う。自分にできることはないか」と考え、2020年に活動を始めた。
吉原さんたちは友人たちとともに市内を回り、企画案をまとめた冊子を作って「市外にアピールしたくなる商品を作りたい」と訴えた。こうした働きかけに応じる地元企業が徐々に増えてきた。
淡水真珠のアクセサリーを加工販売する「メイコーパール」(同市中央)の協力で、30~40代向けのブランド「meiko U」が生まれた。日常的に使いやすいシンプルなデザインに仕上げ、材料を工夫して低価格に抑えている。ピアスやイヤカフ、ネックレスなどを展開し、イベントでは完売する人気を集めている。
「ヤマイチ味噌(みそ)」(同市島田町)とも協力し、同社製品を使ったみそ玉作りのワークショップなどを企画し、好評を得ている。地元産のきな粉も加えた和風スイーツ「牛久のみそショコラ」も売り上げを伸ばしている。
吉原さんは「人々を緩く巻き込みながら、参加しやすいプロジェクトでありたい。イベントのアイデアをみんなで考え、自分たちが主催して発信していけたら」と話した。