＜栃木・県央グルメ＞紀州屋（鹿沼）焼きんとん　老舗の名物、香ばしく餡がぎっしり

1899年創業の老舗の名物「焼きんとん（110円）」は、鹿沼市の銘品を認定する「かぬまブランド」の第１号に選ばれた。

小豆を角砂糖と煮詰めた「小豆きんとん餡（あん）」を、「求肥」と呼ばれる餅粉由来の薄皮で包んでいる。表面の焼き目が名前の由来だ。

餡がぎっしりと詰まっており、一口サイズの割に十分な重みを感じる。北海道産の小豆をブレンドして使い、かむほどに雑味のない甘みが広がる。鼻に抜ける香ばしさも心地よい。

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３代目社長の高橋秀典さん（82）が考案した。「小豆の風味をいかに引き出せるか」を最大の命題として、角砂糖の分量や小豆の種類など試行錯誤を重ねてきた。次男章人さん（51）が後を継ぎ、新しい機械や技術を積極的に取り入れ、日夜研究に励んでいる。

口コミで徐々に評判を集め、市内でイベントが行われるたびに店の前には県内外から訪れた客の行列ができる。さつきマラソンが行われた際は一日千個を売り上げた。

「それでも知名度はまだまだ。鹿沼名物として胸を張るにはまだ早い」と親子で口をそろえる。究極の小豆の風味へ、道はまだまだ続く。

▼メモ　栃木県鹿沼市今宮町1619の11。午前９時～午後６時（日曜、祝日は５時）。月曜、第２火曜定休。臨時営業、休業日は紀州屋ホームページに掲載。（問）０２８９・６２・２６６０。

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