「マスターの味引き継ぐ」絶メシのカレー店 群馬・高崎市
群馬県高崎市のグルメ情報サイト「絶メシリスト」に掲載されている「創作カレーハウス印度屋」(同市飯塚町)は5月、店主の荒木隆平さん(72)が引退し、周東祐一郎さん(28)に経営を引き継ぐ。周東さんは、日本政策金融公庫高崎支店による第三者承継のマッチングで決まった後継者。3月から修業を続けており、「常連のお客さんに認めてもらえるよう、マスターの味を引き継ぐ」と力を込める。
店は1983年に開業。荒木さんと妻の千波さん(56)が二人三脚で切り盛りしてきた。荒木さんは高崎市出身で、前橋市内の調理師専門学校を卒業後、ドイツと都内の洋食店で修業した。4種類のルーをベースに、オリジナルの焼きチーズカレーやチーズハンバーグカレーなどが客に愛され続けている。
「一生現役を貫く」との信念だったが、2017年7月に腹膜炎で入院。店の経営を続けることが難しくなった。3人いる娘たちは店を継がないことから、荒木さんは後継者探しを始めた。「常連のお客さんのためにも、この味を残したかった」
「料理の熱意と人柄」を重視し、数十人と面談を重ねたが、適任者は現れなかった。転機となったのは、事業承継で高崎商工会議所と連携する同公庫のマッチング支援だった。支援を活用し、荒木さんが後継者に選んだのは、市内のダーツバーでオーナーを務める周東さん。両者が連携してマッチングが成功した全国初の事例となった。
料理の熱意と人柄に加え、運転資金があったことも決め手となった。周東さんは3月から修業をスタートさせ、カレーについて学ぶ日々を送っている。荒木さんは「試練を乗り越えて人は成長する。体を壊さないように頑張ってほしい」とエールを送る。
水曜定休。問い合わせは同店(027-361-3938)へ。
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