安中・恵みの湯に「だがしや横丁」オープン 体も心もぽかぽか 売上金は全額、子ども食堂へ 群馬

上毛新聞
2023年5月5日

駄菓子の売り上げは全額、地元の子ども食堂に寄付します―。群馬県安中市磯部の日帰り温泉施設「恵みの湯」の館内に、「だがしや横丁」と名付けられた駄菓子を無人販売するコーナーが置かれている。運営会社が善意で取り組んでおり、「体も心もぽかぽかになる」と来場者からも好評だ。

恵みの湯は市有施設で、指定管理者のサンアメニティ(東京都北区)が運営している。「市内外から多くの人が集まる施設だからこそ、安中の次世代を担う子どもたちに対し、身近にできる社会貢献活動を発信したい」(同社)と、昨年12月に同コーナーを設けた。

昔ながらの定番の菓子や小物玩具をそろえて棚に陳列。購入しやすいように価格は30円前後が中心で、高い商品でも100円だ。無人販売のための精算箱をスタッフが手作りして設置した。昭和ロマンを感じられる空間を演出しようと、ウルトラマンなどのフィギュアをスタッフが持ち寄って飾った。

趣旨に賛同する湯上がりの来場者が「これなら気軽に協力できる」と駄菓子を購入。わずかな単価にもかかわらず、売り上げは月平均で2万5千円を超え、3月までの4カ月間で10万円以上が集まった。手作りの精算箱は釣り銭が出ないため、購入者の中には「ほんのわずかだが、役立てて」と実際の商品価格より多く支払う人もいるという。

売上金は毎月、月末締めで安中市子ども食堂連絡協議会に全額寄付している。同協議会の宇佐見義尚代表は「大いに助かっている。駄菓子の売り上げを全て子ども食堂のために寄付するという新たな地域貢献に、心から感謝したい」と話している。

同施設の松岡宏支配人は「お客さまの心遣いを子どもたちに届けたい」と、“善意横丁”への思いを控えめに語った。

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