《食いこ》紅茶専門店フィーカ(茨城・つくば市) 息抜きや会話楽しむ場に

茨城新聞
2023年5月4日

香り、色、渋み、こく、後味。茨城県つくば市で紅茶専門店「フィーカ」を営む横山智恵子さん(53)は、茶葉の魅力を次々に挙げる。おいしく飲みたい、上手に入れたいという興味から教室に飛び込み、学びを重ねて仕事につなげた。紅茶は夫婦の「夢」もくれた。

2022年3月末、住宅街の一角に店を構えた。同時に、高校教師だった夫の明彦さん(59)が早期退職し、店を手伝っている。カウンターでは、注文を受けた智恵子さんが1杯ずつ紅茶を入れ、スイーツを盛り付ける。ややぎこちない手つきで明彦さんがサポート。道具を出したり運んだり、仲むつまじい様子が伝わる。

店で飲めるもの、販売しているものを合わせると、扱う茶葉は約50種類に上る。ダージリンやアッサム、ニルギリ、ウバなどよく知る銘柄に加え、常総市や牛久市など地元で生産される茶葉もそろう。「いろいろ飲んでみて、好みの味を探すのも楽しいですよ」と智恵子さん。

手書きのポップで、茶葉の効能や飲み方、性質などを紹介

店名のFika(フィーカ)は、スウェーデン語の「お茶の時間」に由来する。フィーカタイムは、甘い物を食べながら息抜きをしたり、会話を楽しむ習慣。忙しい日常、紅茶を飲んでリラックスする。そんな場所でありたいと願って付けた。

コーヒー派だった明彦さんは、すっかり紅茶好きに。「こんなにおいしいんだと驚いた」と笑う。けんかもするが、「一緒にいるだけで安心」(智恵子さん)、「よくやっていると感心する」(明彦さん)と互いをリスペクト。夫婦で過ごす毎日は、とても充実しているという。

人気の牛久紅茶

月に数回、紅茶教室も開く。家庭でのこつは基本の「ゴールデンルール」を守ること。道具を温める、分量や蒸らし時間を守る、沸騰したてのお湯を使うなどシンプルだ。そこから茶葉の種類や特徴に合わせ、細かく調整するのがプロの技となる。

自宅のログハウスを改装し、店を開くことを目標にしている。窓の外にはイングリッシュガーデンが広がる計画。「おじいちゃん、おばあちゃんで紅茶を出せたらいいよね」。協力しながら丁寧に入れてくれた1杯は、カップの中でキラキラ輝いた。

お出かけ情報
紅茶専門店 Fika
▽つくば市二の宮1の20の11アンティームつくば
▽営業時間は午前10時~午後7時(日曜は同6時まで)
▽定休日は毎週水曜と第2、4木曜
▽紅茶教室も開催(要予約)
▽(電)029(828)8964