《キャンプを楽しもう》上小川レジャーペンション(茨城・大子町)

茨城新聞
2023年4月25日

■久慈川沿いサイト人気 季節の里山や星空魅力

水戸市方面から国道118号を北上し、茨城大子町の頃藤丁字路を過ぎるとすぐ、左手に「上小川レジャーペンション」の看板が現れる。看板手前を左折し、坂を下っていくと木造のおしゃれな管理棟が見えた。

同キャンプ場は1979年開業。2019年10月の台風19号で被災し、20年4月にリニューアルオープンした。久慈川に面し、浅瀬では川遊びや釣りができる。川の奥には里山が見え、季節ごとに色が変わる。5月の新緑と秋の紅葉は特に見ものだ。

キャッチコピーは「満点の星空が見えるキャンプ場」。「星が見えるから明かりはいらないとお客さんに言われ、外灯を取り外した」と話すのは、キャンプ場を管理する石井姉妹の妹花奈(はるな)さん(28)。姉杏奈(あんな)さん(30)も「お客さんの意見を取り入れ、一緒につくっている。一生完成することはない」と笑う。

場内は大きく四つに分かれ、客がそれぞれのスタイルに合ったサイトを選べるのが強み。1番人気は久慈川沿いに整備された、車の乗り入れが可能な「オートサイト」。8メートル四方で40区画あり、久慈川に近い川側と、内よりの丘側を選べる。

久慈川に面した区画が人気

森林を切り開いて作った「木里(きり)かぶサイト」は、静かに過ごしたい人にお薦め。トイレやシャワー、キッチンなどが付いた「コテージ」は全6部屋で、犬と一緒に宿泊できる部屋もある。常設テントにベッドなどが付いた「グランピング」もあり、初心者や子ども連れも安心だ。

敷地内には、バーベキューハウスや犬を遊ばせることができるドッグパーク、常連客が作成した看板風のフォトスポットがある。「写真を撮るなら、お化粧ができる場所があった方が良い」(杏奈さん)と、パウダールームも設置した。

常連客が作成したフォトスポット

22年からは管理棟裏のテラスで、晴れの日だけ営業する「晴れの日カフェ」を始めた。サザコーヒーや酒などを販売する。客が多い日は朝ご飯を提供することもある。

友人と2人で山川の景色を眺めながら一息ついていた同県龍ケ崎市、パート従業員、堀由美子さん(57)は「最高。日常を忘れ自然を楽しめる。近くに温泉もあるので寄っていこうかな」とリラックスした様子だった。

■インフォメーション

住所…大子町頃藤4368/施設利用料は大人800円、子ども(3歳~小学生)500円。オートサイト、木里かぶサイトは別途2500円~。コテージは大人6600円、子ども5500円。グランピングは1室(4人以内)2万2000円。釣りざおセットや調理用具などのレンタルあり(有料)。問い合わせは同キャンプ場(電)0295(74)1113。予約はホームページ(kamiogawa.net)で。

《マナー》生き物尊重する行動を

自然の中に身を置くキャンプでは、虫や鳥、動物など、人間以外の生き物が多い。身体や食材を守るために殺虫剤などを使うキャンパーもいるが、いばらきアウトドアセッションの光又新二代表(39)は「自然におじゃまするという感覚を持ち、生き物を尊重する行動をしてほしい」と強調する。

野生動物と共存し、被害に遭わないためには、①食材を出しっぱなしにしない②食べ残しが落ちていないか確認③餌やりをしない-を徹底することが大切だ。臭いが漏れないよう、防水・防臭機能のあるバッグやクーラーバッグに食材を入れておくのも良い。調理の際に出た野菜の皮などの生ごみもしっかりと防臭対策を。