完全予約制のチョコレートブランド立ち上げ カカオプロデューサー・チョコアイカさん(群馬・前橋市)
群馬県前橋市のチョコレート職人、チョコアイカさん(32)が完全予約制のチョコレートブランド「Aika Chocolat(アイカショコラ)」を立ち上げた。全て手作業で緻密に作られたチョコレートは宝石のように輝きを放ち、究極の「パリとろ」食感が楽しめる。今月始めたインターネット上の応援購入サービス「マクアケ」では、開始20分で目標額の10万円を達成。2度の再販売もほぼ完売した。「チョコレートで心震える体験を提供したい」と話している。
9年前、ショコラティエが主人公のテレビドラマをきっかけに「チョコレート沼にはまった」。昨年6月に約10年勤めたコンビニ大手のローソンを退社。同社での経験を生かし、チョコレートの商品開発やイベント企画をする「カカオプロデューサー」として、チョコレートを追求する旅に出た。約2カ月半に7カ国31都市の職人や愛好家と触れ合い、「情熱は世界共通。一瞬で距離を縮めることができる」と感激したという。
帰国後、興奮冷めやらぬままチョコレート開発に没頭。宝石のような表面の輝きを出すため、分子の配列などを計算する際は大学で専攻した物理学が役立った。徹底した温度管理の下で、外側の厚さ1.5ミリにこだわることで、パリとろ食感を実現した。
即完売したデビュー作「世界一周ショコラ」は世界旅行で着想を得た素材を使い、6粒のチョコレートボックスに仕立てた。旅を通じて日本の良さも再認識し、ユズや抹茶、サンショウといったフレーバーも用意。彩りが良く繊細な絵柄は、味や各国のイメージを筆で丁寧に描いた。
自身の人生の軸は「誰かの情熱に火を付けること」。実際にファンから「刺激を受けて自分も新しいことを始めた」と報告を受けた。県内の小学校から講演依頼もあり、地元での貢献活動にも意欲を示している。
「自分の情熱に従って生きることはわくわくする。チョコレートでつながった人に、その楽しさを伝えたい」。世界進出を視野に、あふれるチョコレート愛を発信し続ける。問い合わせは、公式インスタグラム(choco_aika_)へ。