《キャンプを楽しもう》リリーアカデミーキャンプセンタ(茨城・常陸太田市)

茨城新聞
2022年11月29日

■里山の紅葉や夜景満喫 世界的建築家が設計

国道349号を北上し、看板を目印に山道を上がっていくと見えてくる「リリーアカデミーキャンプセンター」(茨城県立里美野外活動センター)。同キャンプ場は、標高約700メートルの若駒山の一角にある。帝国ホテル(東京)も手がけたチェコ出身の世界的な建築家、アントニン・レーモンド氏(1888~1976年)が設計した自然と調和がとれた広大なキャンプ場だ。

同キャンプ場は1972年創立。今年9月に50周年を迎えた。東京ドーム約6個分(約28万平方メートル)の広大な敷地内に第1~3の三つのキャンプ場がある。メイン施設の管理棟は朱色の屋根が目印。その屋根には「(レーモンド氏の)青少年が真っすぐ育つように」との願いが込められているという。

キャンプ場は長年、団体向けのアウトドア体験施設として使われてきたが、キャンプブームも相まって2018年、家族向けやソロキャンパー向けの受け入れが始まった。指定管理者で、県キャンプ協会の園部高生会長(51)によると「コロナ禍もあり、近年ソロキャンパーが増えている」と現状を話す。

広大な敷地のため、一区画ずつの大きさが決められていないのも魅力。予約時に第1~3キャンプ場のいずれかを決めるが、到着順で自由に場所を選び、テントを張って楽しめるシステムとなっている。

人気が高いのは、里川の源流が流れる第3キャンプ場。初心者向けの場所で最大約100人が利用できる。園部会長は「土が軟らかくて、テントを張りやすい」と薦める。紅葉の季節には広葉樹が彩りを添え、優しい川のせせらぎが聞こえてくる。またキャンプ初心者にもうれしいドーム形のテントが張られた「グランピングゾーン」もある。

里川の優しいせせらぎに包まれる第3キャンプ場

 

月1度利用しているという常陸太田市、会社員、大森雅博さん(57)は「里山の風景が楽しめる。紅葉や夜景がきれい」などと、同キャンプ場の魅力を語った。

「自然散策を楽しんだり、季節ごとに花を観賞できたりと自然豊か」と、リリーアカデミーキャンプセンターの橋本久雄センター長(69)。運が良ければ、リスやキツツキたちに出合えるかもしれない。

■何役もこなす「鉄板」注目

冬の季節に入って、アウトドア専門店「APORITO(アポリト)」の日立田尻店では、たき火スタンドなど体を温める商品が人気だ。中でも、同社限定商品「ゆるキャン△ホットサンドメーカー」(2千円=税込み)が注目を集めている。

同商品は、アニメ「ゆるキャン△」と「サンリオ」と同社の3者で作られた。漫画の主人公の一人、志摩リンとサンリオキャラクターのシナモロールの絵柄が特徴的だ。鉄板を片面ずつ使い、お肉を焼いたり、ギンナンをいったりも。「何役もこなしてくれる優れ物」(同店)。「ホットケーキ用としてもお薦め」と担当の鴨志田紗希さん(28)。同店(電)0294(43)3669。

■インフォメーション

住所…常陸太田市里川町863の1/利用料(1泊)…大人380円、青年(25歳未満)160円、子ども(児童・生徒など)60円。無料貸し出し品あり。キャンプ場の開設期間は4月1日~11月30日。予約は電話またはHP。問い合わせは(電)0294(82)4120。月曜休館。HPアドレスはhttp://www.satomi-camp.com/