黄門様との深い縁紹介 那珂川 馬頭資料館が企画展
【那珂川】かつて水戸藩領だった馬頭地区(武茂郷)にゆかりがあり、テレビドラマ「水戸黄門」で知られる徳川光圀(とくがわみつくに)に焦点を当てた企画展「徳川光圀公の武茂郷紀行」が9月25日まで、馬頭の町馬頭郷土資料館で開かれている。
光圀は同藩主時代の1663年から没年の1700年にかけて計9回、武茂郷を訪れている。企画展は光圀や武茂郷の人々が残した歴史資料約20点などから、光圀の武茂郷巡村の目的や成果をひもとく。
光圀の武茂郷巡村の目的の一つに、同藩領となる前から現地で開発が進んでいた金山の支配を確立させることがあった。
展示資料の一つで、武茂郷小口村の庄屋だった大金重貞(おおがねしげさだ)が残した自叙伝「重昭童依調年記(しげあきわらべよりちょうねんき)」は、同藩の金山開発に関する記述がある。
巡村の際、光圀は重貞に書を残しており、互いの厚い信頼関係がうかがえる。展示では光圀の直筆とされる書「梅竹」「光圀公短冊」のほか、重貞自らが光圀のために腕を振るったという料理の献立を記録した古文書も展示している。
佐藤太一(さとうたいち)学芸員は「展示を通し、町と光圀公が切っても切れない縁で結ばれていることに、改めて思いをはせてほしい」と話す。
観覧無料。開館時間は午前9時半~午後5時(入館は4時半)。月曜、祝日の翌日休館。(問)同館0287・92・1103。