5階建て 大浴場に温泉 群馬県明和町
明和町や民間企業が出資したまちづくり会社「邑楽館林まちづくり」による東武伊勢崎線川俣駅周辺の整備事業で、町は16日、同駅西口に新設するホテル温浴複合施設の詳細を明らかにした。ホテル運営事業などを手掛けるデベロップ(千葉県市川市、岡村健史社長)が建設し、2022年秋着工、23年中の開業を目指す。町役場で同日、同施設進出協定調印式が行われた。
ホテルは5階建てで、延べ床面積約5500平方メートル。3~5階に客室約100部屋を設ける。町内の工業団地や近隣の館林市、埼玉県羽生市などを商談で訪れるビジネスマンらの長期滞在を想定する。1階に大浴場を設け、邑楽館林まちづくりが掘削した天然温泉「明和温泉 川俣の湯」を提供する。宿泊客に加えて日帰り入浴の利用客も受け入れる。
2階にはレストランや会議室を設け、災害発生時に一部を避難場所として活用。町がホテル側に要請し、約720平方メートルを確保した。町は「災害時拠点強靱(きょうじん)化緊急促進事業補助金」として9200万円を新年度一般会計当初予算に盛り込み、避難場所、非常用電源と水源の整備を助成する。約360人を収容でき、状況に応じ、ホテルは客室も提供して避難者の受け入れに協力する。
調印式には町とデベロップ、邑楽館林まちづくりの3者が出席。岡村社長は「ビジネス需要と周辺環境が決め手になった。地域防災を含め町と一体でプロジェクトを進めたい」と話した。冨塚基輔町長は「町を訪れる多くの人の利用が想定され、災害時には巨大な防災施設にもなる」と期待を込めた。
ホテルは今後、町から用地を取得して整備を開始する。北側に駐車場約80~100台を設け、町は駅とペデストリアンデッキでつないで利便性を高める。駅東口には昨秋開業した医療ビル「明和メディカルセンタービル」があり、宿泊付きの人間ドックや災害時の医療提供など駅を拠点とした連携も期待される。