「踏み出す勇気」感じて 21日から水戸芸術館 近藤芳正さん一人芝居
テレビや映画、舞台で活躍する俳優・近藤芳正さん(60)の舞台「近藤芳正Solo Work『ナイフ』」が21~23日まで、水戸芸術館(水戸市五軒町)ACM劇場で上演される。登場人物の全てを演じ分ける一人芝居で、ベテランの近藤さんにとっても新たな挑戦となる。本番を控え、近藤さんに見どころや意気込みなどを聞いた。
同作品は、作家・重松清さんの同名小説が原作。失敗を恐れず、一歩踏み出す勇気を持つことで、家族の愛や再生を描く。2016年ごろから、舞台化できないかと考えていた近藤さんが、重松さんや、脚本・演出の山田佳奈さんらの協力を得て実現した。
水戸を皮切りに全国ツアーがスタートする。新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期を強いられ、約1年半ぶりの再始動。中止の知らせにショックを受けたが、「生き方や仕事への姿勢がかなり変わった」という。「(芝居は)やりたいという熱だけでなく冷静さも大事。冷静になり、逆に良い方向になった」と振り返った。
舞台では、近藤さんを通して家族がもがきながら、前に進んでいく。「たとえ変えられなくても、踏み出す前と後では、見える景色が違うのでは」と近藤さん。登場人物と、俳優としての自身の挑戦を重ね合わせ、「明日につながる何かを受け取ってもらえたらうれしい」と思いを語った。
「ナイフ」は21~23日、水戸芸術館ACM劇場で上演。開演は21日が午後6時半、22日は午後2時と同6時半の2回、23日は午後2時。チケットは全席指定でS席4千円、A席3500円、B席3千円。チケット予約センター(電)029(225)3555。