舞台劇「海辺の鉄道の話」 列車内で制作発表

茨城新聞
2018年4月11日

水戸芸術館(水戸市五軒町)ACM劇場が9月に上演する舞台劇「海辺の鉄道の話」の制作発表が10日、物語のモデル、ひたちなか海浜鉄道湊線の走行中の車内で行われた。劇作・演出の詩森ろばさん(54)=演劇ユニット・シリアルナンバー主宰=は「ふるさとの魅力を再発見してもらえるような作品にしたい」と、制作へ意欲を語った。

同劇は、2016年の音楽劇「夜のピクニック」と17年の舞台劇「斜交」に続く、同劇場による地元題材企画の第3弾。廃線の危機から再出発し、震災など苦境に立たされながらも走り続ける同鉄道の姿と沿線の人たちの人生を描く。詩森さんは「人の力で残された鉄道。今の日本の可能性そのもの」と評価し、現在、題材となる関係者や沿線の風景などについて取材を進めているという。

制作発表は、勝田駅から阿字ケ浦駅に向かう列車に臨時車両を接続して行われた。詩森さんのほか、同鉄道の吉田千秋社長役を演じる主演の松村武さん(47)=劇団カムカムミニキーナ主宰=らが顔をそろえた。また、127人が参加した出演者オーディションの合格者6人のうち、茨城町出身の杉山文乃さん(20)が出席した。

杉山さんは同館の「水戸子供演劇アカデミー」出身で、都内の舞台芸術学院を3月に卒業したばかり。役者として初めて臨む舞台に向け、「地元の鉄道の話を地元の舞台で演じるうれしさと緊張感がある。自分らしく、地元愛を持って頑張る」と意気込みを語った。

「海辺の鉄道の話」は9月21~24日、同館ACM劇場で上演される。 

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