里山に咲くアジサイ 笠間の鈴木さん 15種7000株植え付け

茨城新聞
2021年7月1日

茨城県笠間市本戸(もとど)の県道42号沿いの里山で、約7千株15種類のアジサイが梅雨空の下、青や紫、ピンク、白など鮮やかな花を咲かせている。同所の元自衛官、鈴木義長(よしおさ)さん(68)が四半世紀をかけ、所有する農地や山林など約2千坪に自ら植え付けした。手作りのアジサイ園は、ホタルが飛び交う周囲の自然とも調和し、訪れる人の目を楽しませている。7月上旬までが見頃という。

「退官後は美しい花々に囲まれて暮らしたい」。鈴木さんは現役時代から古里・本戸南指原(なじわら)地区でのリタイア生活にあこがれ、1993年、夢への一歩として自宅近くの私有地にアジサイの植栽を始めた。その後、活動を知った友人や知り合いの生花店主が、毎年さまざまな品種の株を提供。鈴木さんは、県外の赴任地から帰郷する度に植え付けの作業を行い、手作りのアジサイ園は少しずつ広がった。

陸上自衛隊第14旅団(香川県)の旅団長を最後に退官。東京での数年間の会社勤めを経て、2017年に自宅に戻り、セカンドライフをスタートさせた。現在は、アジサイのほか、ツツジや桜の手入れ、遊歩道の草取りに汗を流すなど、四季に寄り添う暮らしを満喫する。

「アジサイの花には色や形などいろんな表情がある。特に雨に濡れた後の風情は最高だね。多くの人と魅力を共有したいので、気軽に訪れてほしい」と鈴木さん。「これからも、水と空気がきれいな南指原の里山を守り続けていきたいね」とほほ笑んだ。