憩い空間オープン 【負けない 新型コロナ】真岡井頭温泉 若者ら向け広間を改装

下野新聞
2021年5月20日

 【真岡】下籠谷(しもこもりや)の真岡井頭温泉は19日、ボードゲーム各種を備え、ソファやハンモックでくつろぎながら人気漫画約2200冊や雑誌を楽しめるスペースをオープンした。新型コロナウイルス禍で昨年度の利用客が半減する中、隣接する「いちごチャットパレス」のグランピングを体験する若い世代や家族連れをターゲットに、本館1階中広間を改装した。井頭公園の「ローズフェスタ」に合わせ、30日から露天風呂にバラ約700輪を浮かべる「バラ風呂」も初めて企画し、幻想的な空間を満喫してもらう。

 温泉利用客などの無料休憩室だった中広間(約80平方メートル)を活用。人生ゲームやオセロ、将棋を用意(当面はコロナ対策で利用休止)するほか、「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「進撃の巨人」などの人気作を書棚に並べる。リクライニングタイプの3台を含めソファは計9台配置し、南側に面した窓ガラス越しから新緑の里山や田園風景が一望できる。

 新型コロナの影響で温泉利用客は2019年度の約30万人から20年度は約15万人と苦戦を強いられた。しかし今年4月の1日当たりの利用客は約540人となり、昨年4月の約500人から回復傾向を示す。

 グランピングの稼働率は4月も約70%と好調を維持し、市は6月から施設の常設を決めた。宿泊客らに癒やしや娯楽の場を提供するとともに、市民ら温泉利用の客層拡大や滞在時間の延長を目的に改装を決めた。

 バラ風呂は、女性客限定の露天薬湯風呂に生花を浮かべ、ライトアップで特別な雰囲気を演出する。6月6日まで(午後4~9時、1日は休館)。期間中、売店でバラの香水や雑貨、食用バラを使った花サンドイッチなども販売する。

 大塚有希雄(おおつかゆきお)支配人(51)は「井頭公園周辺エリアの集客拠点施設として、利用客の満足度向上や集客の促進に努めていきたい」と話している。

 (問)同温泉0285・83・8822。

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