200超の陶芸家・窯元出店 笠間陶炎祭29日開幕 2年ぶり 感染対策で入場制限も

茨城新聞
2021年4月28日

笠間焼の祭典「笠間の陶炎祭(ひまつり)」(茨城県笠間焼協同組合主催)が29日から、笠間芸術の森公園を会場に、2年ぶりに開かれる。会期は5月5日までの7日間。昨年はコロナ禍で中止を余儀なくされたが、今年は収入減となっている出店作家の状況を踏まえ、感染対策を徹底した上で開催を決断。人流抑制のため、「緊急事態宣言等対象地域」および「まん延防止等重点措置適用地域」からの来場自粛を求めている。

陶炎祭は1982年にスタート。今年で40回目を迎える。例年、50万人規模が来場し、大型連休の人気イベントとして定着。200を超える陶芸家や窯元・工房が出店し、器やオブジェなど個性豊かな焼き物が所狭しと並ぶ。

昨年はコロナ禍により、約40年の歴史で初めて中止された。今年は感染対策として、会場をロープで囲って入退場口を2カ所に限定し、入場時などに検温や手指消毒を徹底する。県の感染発生警告ツール「いばらきアマビエちゃん」の登録を呼び掛けるほか、混乱を避けるため来場人数を1日5千人に制限する。

食べ物や飲み物の販売はテークアウトに限定し、来場者は指定された場所で飲食する。テントの持ち込み・設営、レジャーシートの使用もできなくなり、音楽イベント、野だてなども中止とした。人流抑制の観点から、「緊急事態宣言対象地域」および「まん延防止等重点措置適用地域」からの来場自粛を求めた。

一方、40回を記念した企画として、英国を拠点とした笠間焼海外販路開拓事業を紹介するブースを設置。笠間焼作家の商品販売に加え、英国の陶芸産地ストーク・オン・トレント市の紹介や現地作家の商品販売も行う。

また陶炎祭スタート時からの記録写真を展示するほか、関連する動画も放映。このほか、ぐい呑(の)み1000個展や、笠間焼と生花のコラボ展を開催。感染症対策に尽力する医療従事者に感謝の意を表すため、出店者がメッセージを書いた焼き物に花を飾る「一輪挿しプロジェクト」なども実施する。

同組合は「感染対策を徹底し、安心安全な形でお客さまを迎えたい。ただ感染状況によっては、行事が変更されたり、中止となる場合がある」としている。

会期中は、県教育研修センター(同市平町)を臨時駐車場として開放。同駐車場およびJR友部駅北口と陶炎祭会場を結ぶシャトルバスが運行。笠間ショッピングセンターポレポレシティ、市民体育館、つつじ公園、笠間稲荷神社などを循環するバスも走らせる。陶炎祭に関する問い合わせは同組合(電)0296(73)0058

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