茨城県有施設、展覧会を再開 美術館や歴史館、「3密」防止で
新型コロナウイルスの感染拡大で、4月18日から臨時休館していた茨城県の県近代美術館(水戸市)や県立歴史館(同)、県陶芸美術館(笠間市)などの県有施設が12日、県による感染拡大防止の方針に基づき再開した。各館では休止や開幕延期となっていた展覧会が開かれ、待ちわびた人たちがマスク姿で早速訪れた。館側は「3密」を防ぐ手だてを講じ、用心深い対応を徹底した。
県近代美術館では4月25日からの予定だった企画展「没後10周年平山郁夫シルクロードコレクション展」が開幕。午前9時半の開館を前に正面玄関前に列ができた。同展にはシルクロードや仏教伝来の主題で知られる日本画の巨匠、平山さん(故人)の大作をはじめ、現地での貴重なコレクションの品々が並ぶ。
ひたちなか市から訪れた谷川辰男さん(79)は「(美術館が)再開できて良かった。外出自粛が続いていたため、見ていると心が和む」と喜んでいた。当初6月14日までの会期を28日まで延長した。
県陶芸美術館でも「神業ニッポン 明治のやきもの『幻の横浜焼・東京焼』」展(~6月28日)がようやくスタート。同館の花里麻理学芸課長は「こんな状況でご覧いただけるのはとてもありがたいこと」と述べた。
ただ、再開初日の入館者の伸びはどの館もいまひとつ。鹿島神宮の宝物を紹介する企画展と遺跡紹介展を同時開催する県立歴史館の広報担当職員は「休館の直前よりは少し多い。今後、緊急事態宣言が解除されなければ大きくは伸びてはいかないだろう」とした。
施設再開の条件として県は、各館に十分な感染防止策を求めた。それを受け、各館は利用者に対し、マスク着用▽手洗い・手指消毒▽発熱などの症状がある場合の入館回避▽滞在時間の目安を順守▽他者と2メートル以上間隔を保つ-などに協力を呼び掛けている。
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