世界遺産の島村を体感 田島弥平旧宅(群馬・伊勢崎市)周辺で登録9周年フェスタ

上毛新聞
2023年6月25日

 群馬県伊勢崎市の世界文化遺産「田島弥平旧宅」と周辺地域を会場として18日、「世界遺産登録9周年記念フェスタ」(同実行委主催、市など後援)が開かれた。コロナ禍により、開催は4年ぶり。2019年の前回を上回る規模で芸能発表会や物販、スタンプラリーなどが繰り広げられ、市内外から訪れた多くの人たちが休日を満喫した。

実行委は区長会や関連団体で構成する。開会式で、小暮通佳委員長(72)は地域の伝統芸能、地元小中学生による演奏、高校生の書道パフォーマンスなど多様な企画を用意したとし「今日は一日、『世界遺産の村・島村』を十分にお楽しみください」と呼びかけた。

常設の旧宅案内所として活用している旧境島小の校舎では、富岡製糸場世界遺産伝道師協会による座繰り体験会が行われ、親子連れらが繭から糸を引く作業に挑戦した。校庭には飲食や雑貨を扱うテントがずらりと並び、体育館で和太鼓演奏、フラダンス、八木節などが次々と披露された。

旧宅の庭で、同市の世界遺産PRキャラクター「くわまる」と本庄市の「はにぽん」、深谷市の「ふっかちゃん」が集結する撮影会が開かれ、来場者はゆるキャラ3体との触れ合いを楽しんでいた。

田島弥平は幕末から明治にかけ、優良な蚕種を生産する技法「清涼育」を体系的に完成させ、近代養蚕飼育法を確立した人物として知られる。島村には他にも蚕種製造に励んだ農家の建物が複数存在している。今回は、旧宅主屋の来客用の「上段の間」や、歴史的な蚕種製造民家5軒が特別公開された。

これら養蚕農家群を巡るスタンプラリーは、横浜国立大建築史・建築芸術研究室が協力。理解を深めてもらおうと、クイズを取り入れる形式にした。

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