海浜鉄道 輸送人員最多98万7500人 15年度 収支均衡も視野

茨城新聞
2016年6月2日

第三セクターのひたちなか海浜鉄道(ひたちなか市、吉田千秋社長)は1日、2015年度の輸送人員が前年度比5・1%増の98万7515人で、08年4月の開業以来最多を記録したと発表した。年間利用者100万人が目前になった。同社が同日発表した15年度決算は、運輸収入が1億9989万円で過去最高を更新。最終損益は303万円の赤字だったものの、赤字幅は前年度から162万円縮小しており、収支均衡が視野に入る状況になった。

海浜鉄道が運行する湊線の輸送人員は08年度の約75万4800人以降、東日本大震災による被害で約4カ月運休を余儀なくされた11年度を除き、毎年度増加。14年度に90万人を突破した。

15年度の輸送人員のうち、定期旅客者は前年度比3・8%増の55万9554人。このうち通学定期は同1・1%増の38万4514人、通勤定期は同10・2%増の17万5040人。定期外旅客者も同6・9%増の42万7961人だった。

同社によると、運輸収入は堅調な通学定期に加え、通勤定期も市コミュニティーバスとの連絡改善などを背景に増加。行政や市民とのタイアップなどで、観光客の利用が増えたのが要因という。

運輸収入に広告費や土地物件貸付料などを加えた営業収益は同8・1%減の2億5787万円。ただ、前年度営業収益には13年7月の衝突事故に伴う保険金収入3138万円が含まれており、これを除外すると3・5%の増益となる。

同社は、16年度はほぼ同数の定期外旅客者数を確保したい考え。吉田社長は「本年度も順調な滑り出しで、通勤・通学の各定期も伸びている。補助金をいただいている立場ではあるが、来年度に収支均衡を図りたい」と話した。

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