《まち歩き・里歩き》スタート 韮川スポーツ広場(太田市東長岡町) 地域見守る銅像の犬 

上毛新聞
2016年5月11日

ㅤ太田市東部にある韮川スポーツ広場(東長岡町)は地元のお年寄りが連日、グラウンドゴルフに汗を流している。南側には日光例幣使街道が通る。江戸時代、京都から日光を目指した人々の姿を想像し、ゆっくりと歩きだした。
ㅤ新緑に囲まれた広場ではグラウンドゴルフの練習を終えたお年寄りが帰り支度を始めていた。隣接する屋内ゲートボール場「すぱーく太田」に行ってみると、元気に試合をする声が聞こえてきた。管理をしている田島光さん(78)は「雪の少ない東毛地域で屋内施設は珍しい」と教えてくれた。
ㅤすぐ近くを通る日光例幣使街道沿いに「鳥居のない神社」として有名な石原賀茂神社があった。境内の脇に犬の銅像=写真=があり、そばの石碑には「鳥居の上にいた大蛇の首に犬が噛みつき使者を救った」という伝説が刻まれていた。総代長の小沢清一さん(84)は「救命犬の銅像は住民の寄付で建てられた。毎年春の例祭と一緒に救命犬祭りを行い、次の世代へ伝えている」と誇らしげだ。救命犬の銅像は、今も鳥居のあった方角を見つめている。
ㅤ街道を左に折れて北上すると、韮川小の校舎に子どもたちの遊ぶ姿が描かれた壁画が現れた。子どもが囲む大きな木は今も校庭にあるクスノキだろうか。楽しげな壁画に元気をもらい、歩みを進めた。
東武伊勢崎線の踏切の手前に、障害者の生活や就労を支援する通所型施設「ワークショップありす」の建物を見つけた。農作業をしているというので見せてもらった。今は花の苗を育てて出荷の準備をしているという。和気あいあいと楽しみながら作業をしている様子に思わず笑顔になった。ほかにも絵馬などの木工や藍染めのストールといった商品を製作し、販売もしている。職員の一瀬仁志さん(40)は「地域の人たちの協力があってこそ活動ができる。つながりを大切にしている」と話してくれた。
踏切を渡ると右手に韮川駅が見える。ちょうど帰宅時間の高校生が駅に向かって歩いていた。
ㅤ線路沿いを歩いていくと、住宅街にニシキゴイの絵が描かれた建物が見えてきた。「鯉の利休」は主にニシキゴイの飼育販売をしている。最近は海外でも人気があり中国やインドネシアから問い合わせがくるという。「水槽でも飼えるので、飼育の仕方を聞いてほしい」と代表の鈴木昭さん(73)。およそ1500匹を飼育し、県の品評会で総合優勝したこともあるという。体長1メートル、体重20キロほどのニシキゴイは迫力があり、美しい模様を揺らし泳ぐ姿に魅せられた。

≪コースの特徴≫
平たんな3キロ。歩道が狭いので車に注意が必要。踏切の横断にも注意したい。

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