ベートーベン交響曲 小澤さん指揮は来年1月 水戸芸術館事業計画 

茨城新聞
2016年5月11日

水戸芸術館を運営する水戸市芸術振興財団は10日、本年度の事業計画を発表した。音楽部門で、同館長の小澤征爾さんが総監督を務める水戸室内管弦楽団(MCO)が6月、10月、来年1月に定期演奏会を開催。小澤さんは、来年1月にベートーベン交響曲の指揮を執る。演劇部門では、水戸一高の伝統行事「歩く会」を題材にした音楽劇「夜のピクニック」を9月に上演する。

音楽部門では、6月4、5両日に開かれるMCO定演に、ロシア屈指の室内管弦楽団「モスクワ・ソロイスツ合奏団」指揮者のユーリ・バシュメットさんが初出演する。ビオラの名手としても知られ、指揮と併せてハイドンやシューベルトの交響曲を奏でる。

演劇部門で「夜のピクニック」は9月17~25日に上演する。原作は、作家の恩田陸さんが母校水戸一高の体験を基に執筆した同名小説。本県出身の歌手で女優の吉川(きっかわ)友(ゆう)さんが主演し、演劇や映画で活躍する深作健太さんが演出を手掛ける。

美術部門では、県主催の県北芸術祭と連携する形で、「クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ」展を10月1日~12月4日に開催。1991年秋に米国カリフォルニア州と本県北部で傘を点在させた「アンブレラ・プロジェクト」を、写真やアンブレラのサンプルなどを通して回顧する。

大津良夫副館長は「小澤館長は音楽、演劇、美術の質の高さを認識され、とりわけ音楽は歴史に残る演奏会を意識されている」と話し、「吉田秀和前館長の思いを受け継ぎ、芸術を身近に感じてもらえるよう、教育普及事業を推し進めたい」とする小澤さんの意向を伝えた。

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