小澤館長、第9に意欲 水戸芸術館事業計画 「傑作の演奏 誇り」
水戸芸術館を運営する水戸市芸術振興財団は13日、本年度の事業計画を発表した。水戸室内管弦楽団(MCO)が10月13、15日にベートーベンの代表作「交響曲第9番(第9)」を演奏することについて、MCO総監督で指揮を務める小澤征爾館長(81)は「このオケ(MCO)は(前館長の)吉田秀和先生の精神が息づく最高の室内楽。ベートーベンの傑作を演奏することができ、誇りに感じている」と意欲を示した。
「第9」は大編成で演奏するのが慣例の中、比較的小規模なMCOで挑む理由について、小澤館長は「近年、ベートーベン交響曲の演奏を重ねる中で、団員も含め、自信が高まった。ホールのサイズを踏まえ、コーラスや楽器編成の規模などを研究し、結論に至った」と説明。「絶対うまくいく」と力を込めた。
音楽部門はこのほか、ジャズピアニスト、スガダイローさんを迎えて「スガダイロー・プロジェクト」の第3弾「大群青」を7月22日に開く。夏祭りを思わせる、薩摩琵琶や三味線、鼓など和楽器とのセッションに期待が集まる。
演劇部門は、本県ゆかりの俳優など若い才能を支援する「未来サポートプロジェクト」や、教育普及事業の「水戸子どもミュージカルスクール」などを継続していく。11月23~26日に、1963年に都内で発生した誘拐殺人「吉展(よしのぶ)ちゃん事件」を題材にした「斜交(しゃっこう) 昭和40年のクロスロード」を上演する。
美術部門は、現代アートの魅力を広く伝える三つの企画展を実施する。10月14日から来年1月21日まで、機知に富んだブラック・ユーモアで知られる英国人アーティスト、デビッド・シュリグリーさんによる国内初の大規模個展を開催する。
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