「フェス飯」楽しんで ロック・イン出店予定事業者、クラウドファンディングでグルメセット返礼

茨城新聞
2021年10月5日

新型コロナウイルスの影響で中止となった屋外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2021」で出店を予定していた茨城県内の飲食店など13事業者が、クラウドファンディング(CF)で支援を募り、フェスで提供する予定だったグルメなどで返礼する取り組みを始めた。フェスの中止で、行き場をなくした食材のロスを防ぐとともに、支援者には自宅で「フェス飯」を楽しんでもらいたい考え。CFは10月17日まで。

同フェスは今年8月、ひたちなか市馬渡の国営ひたち海浜公園を会場に、2年ぶりに開催する予定だった。同CFは、水戸市やつくば市で飲食店「酒趣」を経営するいばらき食文化研究会(水戸市)の社長、井坂紀元さん(49)が事務局代表を務める。

井坂さんによると、同店は同フェスに出展し、名物メニュー「メロンまるごとクリームソーダ」を販売。今年は8月の開催に向けて、春メロン1万玉以上を仕入れ、加工や冷凍して準備をしてきた。ただ、7月にフェスの中止が決定。井坂さんと同じく、出店に向け準備していた出店者らからも、食材をさばききれないと電話で相談を受けた。そこでCFの実施を検討し、フェス主催側の承諾と協力を受け、今月10日から開始した。

北海道から福岡市までの13事業者が参加する。支援金額は3500~5千円。県内事業者からは同店のメロンまるごとクリームソーダのほか、磯蔵酒造(笠間市)の「稲里 純米吟醸『幻の熱い夏』」、カニ専門店かじま(大洗町)のずわいがにたっぷりコロッケとカニ丼セット、五浦ハム(高萩市)のハム焼きセットが返礼となっている。グルメとセットで、各店舗ごとにTシャツやスプーン、ステッカーなど同フェスのロゴ入りグッズを一緒に送る。

CFサイト「キャンプファイヤー」で支援を募る。目標金額は1千万円。集まった資金は、支援された各店舗に分配され、運営資金に充てる。

井坂さんは「会場でしか食べる機会のないフェス飯を、自宅で楽しんでほしい。来年こそはロック・インが開催され、支援してくれた人たちに直接お礼が言えれば」と話した。