テンカラ 専用釣り場に注目 日光・三依 男鹿川 地域協力隊の田辺さん発案 手軽さ好評、客2割増

下野新聞
2021年8月11日

 【日光】おじか・きぬ漁業協同組合が三依地区の男鹿川に今春開設した「テンカラ」専用のキャッチ&リリース(C&R)区間が話題を集めている。テンカラは毛針を使った伝統釣法で、同漁協によると専用区間の開設は全国初。「初心者でも手軽に楽しめる」などと好評を得ており、同漁協三依支部の渓流釣り客は昨年より2割増となっている。

 3月下旬にオープンしたテンカラ専用区間は、男鹿川入山沢支流の見通沢(みとおりざわ)の約2キロ。リールを使った釣りは禁止で、テンカラ専用のさおを使ったヤマメとイワナ釣りを楽しめる。

 専用区間設置を発案したのは、同漁協組合員で同地区在住の地域おこし協力隊員田辺宜久(たなべのりひさ)さん(47)。隊員となった2019年4月以降、これまでに10回ほどテンカラ釣りのイベントを開催してきた。毎回、多くの釣り客が集まったため、専用区間を設けることで地域活性化につなげられると考えたという。テンカラ釣りは魚へのダメージを抑える針を使用するため、魚の数を減らさずに釣りができる利点もある。

 同漁協によると専用区間は家族連れからも人気で、週末には新たに整備した専用駐車場約10台分が満車になることも多い。

 田辺さんは「テンカラのメッカとして三依のイメージを作り、多くの人を呼び込みたい」と話す。同支部の矢部礼司(やべれいじ)支部長(53)は「三依の自然を生かしたテンカラ釣りを通して、より多くの人に地域の良さを知ってもらいたい」と話している。

 専用区間の利用は9月19日まで。遊漁料は渓流魚日釣券1500円(現場売り3千円)。年券などもある。三依や川治、鬼怒川地区の同漁協組合員の飲食店や商店など30カ所以上で購入できる。(問)矢部支部長0288・79・0200。

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