国民宿舎「鵜の岬」32年連続1位 20年度、利用率63.6% 茨城県内客が支える

茨城新聞
2021年7月4日

茨城県日立市十王町伊師の国民宿舎「鵜の岬」の昨年度の宿泊利用率が、全国58カ所の公営国民宿舎の中で1位となった。国民宿舎協会が1日、発表した。鵜の岬の全国1位は32年連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、茨城県外からの利用が半減したものの、県内を中心に根強い人気に支えられた。

全室の定員に対する充足割合を示す宿泊利用率は例年、80%を上回っていたが、昨年度は63・6%にとどまった。それでも2位以下を引き離し、全国1位の定位置を維持した。2位はいわき荘(青森県)の53・8%、3位は湯来ロッジ(広島県)の48・7%。

予約が取りにくい宿舎として知られる鵜の岬も、新型コロナの直撃で宿泊利用者数が前年度より約2万人減少し、3万9867人となった。都道府県境をまたぐ移動制限もあり、県外からの宿泊利用者は前年度に比べ半減した。

ただ、県内は1割ほどの減少に抑えた。県内客からは「二十数年ぶりで来られて良かった」などの声が聞かれたという。

全国1位について鵜の岬は、感染予防対策に早めに取り組み、周知を図ったのが効果的だったと分析。宇佐美泰重支配人は「県民に多く利用してもらった。県内から初めて利用した人も結構いた」と話した。

本年度も依然、平日は空室が目立つ。ただ「ワクチンを接種したから、また行きます」との電話も入り始め、宇佐美支配人は「状況は変わってきている」と期待を寄せる。

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