日立市、サクラ並木植え替え 樹勢衰え CFで費用公募

茨城新聞
2021年6月22日

「日本さくら名所100選」に選定されている茨城県日立市平和通りのサクラ並木。植樹から70年が経過し樹勢の衰えが目立つことから、市は計画的な植え替えを進めている。こうした中、市は本年度、サクラの更新費用に充てるため、初めてクラウドファンディング(CF)に取り組む。「日立のサクラを守りたい」との思いを広く募り、未来につなげるのが狙いだ。1寄付を受け付けている。

市は本年度当初予算で、平和通りのサクラ更新費用2千万円を計上し、9本の植え替えを予定している。このうち400万円をCFで募る。寄付者にはふるさと寄付金と同じ89品目の中から返礼する。募集は原則、開始から3カ月間。

CFの実施について、市財政課は「具体的な事業を応援してもらうのがふるさと寄付金との違い。全国に日立のサクラを知ってほしいとの意味もある」と説明している。

平和通りのソメイヨシノは計127本。1951年に国道6号からけやき通りまでの間に植栽し、77年にけやき通りからJR日立駅前までが植えられた。

毎年春恒例の日立さくらまつりではメイン会場になり、両側から張り出す満開のサクラは同市を象徴する光景になっている。だが、この数年、樹勢の衰えが顕著な木が目立ち、市は2018年度から5カ年で計画的な植え替えに取り組んでいる。

市は今回の状況を踏まえ、今後も市外への魅力発信につながる事業で、CFの活用を視野に入れる。

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