盲導犬御朱印好評1113枚  宇都宮の今泉八坂神社 東日本協会に66万円寄付

下野新聞
2021年6月3日

 【宇都宮】新型コロナウイルス禍による盲導犬育成の窮状を知った今泉八坂神社(今泉4丁目)が支援の一環で製作した点字付き特別御朱印が、約1カ月で1113枚頒布された。同神社は2日、寄せられた浄財など約66万円を福岡町の東日本盲導犬協会(高橋文吉(たかはしぶんきち)理事長)に寄付した。高橋理事長は「真心からの寄付に感謝の言葉しかない」と話した。

 同協会によると、盲導犬育成資金の9割は寄付で成り立っている。コロナ禍で寄付を募るイベントが相次いで中止となったため、同神社が今春、目の不自由な人が安心安全に歩けるよう願いを込めた特別御朱印を製作した。

 4月15日に頒布を始めたところ、反響が大きく、当初用意していた500枚は1週間ほどで品切れになった。北海道から鹿児島県まで郵送頒布を依頼されたケースも105件に上った。取り組みを知った人から協会に直接寄付を申し出る例もあった。

 この日、寄贈したのは御朱印の初穂料約56万円と境内の募金箱に寄せられた浄財約10万円。贈呈式には2匹の盲導犬も参列した。

 同神社の葭田真彦(よしだまさひこ)禰宜(ねぎ)(46)は「盲導犬を支援したいという全国からの反響の大きさに驚いた。この世の中、いいことも多い」と笑顔。同協会の奈良部武司(ならべたけじ)事務局長(78)は「財政が厳しい中、大変助かる」と話した。

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