国内最大級スケボー場、20日から完成記念イベント 笠間 若者の集客期待

茨城新聞
2021年3月5日

笠間市の笠間芸術の森公園内で建設が進められている国内最大級のスケートボード施設「スケートパーク」が、3月上旬に完成する。若者の集客と同公園の利活用を狙いに、県と同市が共同で整備を行ってきた。4月からの一般向け開業を前に、スポーツとアートがコラボした記念イベントが3月20~30日に開催される。

スケートパークは、スケートボードや自転車競技BMXなどが楽しめるスポーツ施設で総事業費は約5億円。総面積1万7千平方メートルは国内有数の規模となる。競技を行うスケート広場は4500平方メートルで、上級者向けや初心者向け、屋内施設など五つのゾーンに分かれる。ほかに休憩広場と多目的広場などがある。スポーツ用品会社のムラサキスポーツ(東京)が施設の指定管理者として運営を担う。

スケートボードは東京五輪の正式競技に決まり、米国チームは1月、スケートパークを拠点に事前合宿を実施することを発表。同市は「施設が国際レベルの高基準に対応していることなどが、金メダル最有力チームの誘致につながった」と説明している。

一方、同市は、スケートパークの活用などを柱に、スポーツを軸に地域振興につなげる官民連携組織「スポーツコミッション(SC)」を3月中に設立。ほかの競技も含めて、大規模な大会やイベントを積極的に誘致し、交流人口の拡大などに力を注いでいく。

20日に始まる記念イベント名は「アクションスポーツ・アートフェス2021 IN KASAMA~スポーツ×アートの饗宴~」。2部構成で、1日最大5千人の入場を予定する。コロナ禍を踏まえ、スマートフォンやパソコンによる事前予約決済や、シャトルバスによるパークアンドバスライド方式を採用。主催する笠間アクションスポーツフェス実行委員会は「新しい生活様式に沿ったモデルになるよう、感染対策を徹底し、運営していきたい」としている。

第1部(20、21日)は、全て入場有料の予約制となる。昼間は国内で1年ぶりとなるスケートボード大会を開催。国内トップ選手が集結し、ハイレベルな技の数々を披露する。会場内では、スケートボードやBMXの初心者向けの体験会や、グラフティーアーティストKeeenue(キーニュ)さんによる参加型アート体験も実施される。

夕方からは、アーティストのKEN ISHII(ケン・イシイ)さんがDJプレイを披露。夜間は、幻想的な映像と光、音楽をバックに、スケートボードとBMXのパフォーマンスが繰り広げられる。

記念イベントの演出イメージ(笠間アクションスポーツフェス実行委員会提供)

 

第2部(22~30日)は、入場無料。スケートボードとBMXの初心者向け体験会やマグカップの絵付け体験などを予定している。

第1部のチケットは3日から、専用サイトで発売される。URLは次の通り。

https://www.kasama-fes.com/

 

名称は「ムラサキパークかさま」

4月に笠間芸術の森公園内に開業する大型スケートボード施設「スケートパーク」について、笠間市は、スポーツ用品販売のムラサキスポーツ(東京)と施設命名権(ネーミングライツ)契約を締結したと発表した。名称は「ムラサキパークかさま」。契約期間は4月1日から10年間で、金額は総額1千万円に上る。 ムラサキスポーツは、東京都台東区に本社を置くスポーツ用品やカジュアルウエアの販売会社。設立は1973年。年間売上高は347億円(2020年3月期)。スポーツに関連したイベントも数多く手掛け、若者文化の創造にも寄与する。笠間のスケートパークでは設計のアドバイスを行い、4月の開業後は施設指定管理者として運営に携わっていく。 同市の山口伸樹市長は「年間100万円の命名権料が市に入るのは大きい。ムラサキスポーツさんの名を冠することで、施設の認知度アップや広い意味での振興につながっていくのでは」と期待を寄せた。

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