優しい甘さの後に辛み とうがらしの琥珀羹 和み菓子 えのわ(大田原)

下野新聞
2020年7月23日

 表面は砂糖のシャリシャリ感、内側は寒天のぷるぷるとした食感。絶妙な口当たりを楽しむうちに、優しい甘さの後からピリッとした風味が追い掛けてくる。ほのかに光が透ける淡い色彩が美しく、「見て良し、食べて良し」の逸品だ。

 大田原市の特産トウガラシ「栃木三鷹(さんたか)」の一味を使った珍しい和菓子。栃木三鷹のPRにつなげようと、店主の松井聖(まついたかし)さん(36)が試作を重ねて生み出した。こだわりは辛さだけでなく、特有の爽やかな香りを引き立てること。「子どもや辛いものが苦手な人にも楽しんでもらいたい」

 琥珀羹(こはくかん)は寒天と砂糖、水あめを煮て溶かし、表面が結晶化するまで乾燥させて作る。トウガラシのほか、イチゴやミカンなど計7種類があり、色とりどりの宝石のように店頭に並んでいる。暑い時期には冷やしたり凍らせたりして食べるのもお勧めだ。

 同市佐久山の老舗和菓子店「菓子づくり松月」で17年ほど修業を積んだ後、2018年に独立した松井さん。「伝統的な和菓子は敷居が高いと思われがち。地域の人にもっと身近に感じてもらいたい」。かわいらしい見た目や手作り感のある商品と、松井さんと妻瑞穂(みずほ)さん(36)の温かい接客で、店名のように「笑の輪」が広がる場所となっている。

 【メモ】「とうがらしの琥珀羹」は180円▽大田原市紫塚2の2659の6▽営業時間 午前8時~午後6時半▽定休日 水曜定休、火曜は不定休▽(問)0287・47・6667

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