茨城空港、40日ぶり「復活」 福岡便再開、歓迎ムード

茨城新聞
2020年6月13日

 新型コロナウイルスの影響で国内外の全路線が運休に追い込まれていた茨城空港(小美玉市)で12日、スカイマーク福岡便が運航を再開した。40日ぶりとなる県内の“空路復活”に、空港は歓迎ムードに包まれた。国内線は残る神戸、札幌、那覇(沖縄)の3路線も19日に再開を予定している一方、国際線は今も見通しが立っていない。
 
 再開した福岡便は1日1往復を運航。この日、福岡空港へ向かう午前10時発の便に乗客が乗り込むと、滑走路脇のエプロンでは、県や空港関係者らが手を振り、出発を見送った。
 
 スカイマーク茨城空港支店によると、同便には定員177人に対し88人が搭乗。茨木実子支店長は「再開後初の路線としては、思いのほか多くの方に利用していただけたのでは」と話し、幸先の良いスタートと受け止めた。
 
 感染防止のため、機内の座席は乗客が隣り合わせにならないよう配慮。空港ターミナルビル内でも、搭乗口や到着口にサーモグラフィーカメラを設け、利用者への検温体制を整えた。
 
 この日は、福岡便に先立ち、機材繰りのため神戸発の便も片道運航。県や小美玉市は、歓迎ムードを高めようと、到着便の利用者に観光パンフレットやおみたまヨーグルトなどを無料配布しもてなした。
 
 利用者も歓迎の声を上げる。県内建設現場で働く福岡県筑紫野市の八尋勝寛さん(75)は「外出自粛で5月の帰省を延ばしていた。自宅は正月以来で本当にうれしい」と表情を緩めた。2カ月ごとに福岡便を利用していたという水戸市の美容サービス業、佐藤よし子さん(59)は「運休でありがたみを実感した」と再開を喜んだ。
 
 鈴木信昭県空港対策監は「空港は経済回復へ向けた一定の役割を担っており、再開でその第一歩を踏み出せた。考え得るさまざまな感染対策を行い、ウイルスに対する利用者の不安を解消していく」と話した。
 
 茨城空港の国内線は、5月1日の神戸便を最後に全路線で運休。福岡便再開に加え、19日には神戸、札幌、那覇便が各1日1往復の運航を再開する。一方、国際線は春秋航空の上海、西安両便が30日まで、タイガーエア台湾の台北便が8月31日まで、運休期間を延長している。

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