「御城印」で飲食店支援 古河城と古河公方館 市民団体、城下町守る

茨城新聞
2020年6月14日

 古河市の市民団体「茨城古河城バルーンプロジェクト」(向原俊之代表)が、古河城と古河公方館の「御城印(ごじょういん)」を発売し人気を博している。これまでの売上金は、市を通じて新型コロナウイルスの影響を受ける飲食店への寄付金に充てた。同団体は「古河の城下町は飲食店があってこそ。額は少ないが応援のメッセージを送りたい」としている。
 
 古河城の御城印は「幻の城 古河城」と筆で記し、城を象徴する「御三階櫓(ごさんがいやぐら)」の画像と、歴代城主の足利氏、小笠原氏、永井氏、土井氏の家紋を朱色で印刷したもの。
 
 古河公方館は同様に筆で館名を書き入れ、足利氏の二つの家紋と、同市のイラストレーター、永沼いづみさんが描いた氏姫(5代古河公方足利義氏の娘)をプリントした。
 
 御城印は城跡を訪れた記念に購入する土産物で、いわば御朱印のお城版。同団体は、廃城令や渡良瀬川の河川改修によって姿を消した古河城を市内外に伝える活動に取り組んでいる。
 
 新型コロナの感染拡大に伴い、市内飲食店は売り上げが激減。御城印の販売は「城下町の街並みがなくなる」との危機感から始めた。購入者は近隣の40代男性が中心で、4月は90枚、5月は55枚を売り上げた。遠方からの問い合わせもあるという。
 
 1枚300円(税込み)で、お休み処坂長(同市中央町)で販売。向原代表は「感染防止対策を取った上で、古河の城下町の散策や飲食店の利用をしてほしい。合わせて御城印を購入してもらえれば」と話した。

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